目の前は知らない人ばっかり。
宝石の皆っぽい姿は見つからないし、
探そうにも此処が何処か分からないから
そう直ぐに検討もつくようなものではないし、
そもそも状況整理もしたけど未だに
理解が及びそうにない。
もう全てに混乱し過ぎてイライラする!!!
此処をどんな場所か、どんな環境かを
少し知っておこう。気付きか何かあるかもしれない。
何処をどう歩いても、人、人、人、人、………
嗚呼……目が痛くなりそう…。
何処か静かで綺麗な草村はないの??
少し歩き回っていると
背の高い男性の方に話しかけられた。
心中…?聞いたことのない言葉……
あー、でも前ルチルから聞いたような…
確か…「愛してる者同士で一緒に自殺」
って意味だっけ?あんまり聞いてなかったから
そんな詳しくは分からないし知らないけど。
…え?この意味あってるとしたら、
いや、断るのが正解なのは流石に分かるけど…
どう…話して断れば良いのかが分からない…。
本気でどうすれば良い?!
ああ…良かった……のか?
…………
ま、まあ取り敢えず困っていたことが伝わったし…。
大丈夫な筈…。
なんか名前言っただけですっごい疑われてる?けど…?!
え?じ、じゃあなんて名前着ければ良い?!
何?「自分名前が無いんです」って言えば良いの?
あ…、あの時の名前…今使えるんじゃ…
回想
懐かしいなぁ…
いや!和んでる場合じゃない!!
これだよ!あなたの下の名前!もうこれで良いや!
良かった…通じた……ホント…良かった…。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!