第3話

2日目
359
2023/05/09 13:40 更新
昨日1日で分かった事がある

基本はリキリキと鳴くが、嫌な事や反対意見にはハァッと鳴くようだ
もしかしたら人語を理解しているのかもしれない
何とも不思議な生き物だ

最初は警戒されていたみたいだがすぐに懐いてくれた
頭を撫でられるのが好きな様でちょくちょく要求される





「リキリキリキ」

「どしたのー?」



窓際が気に入ったのか基本その場から動かない
床叩いてるだけ、の言葉通り常に前足をバタバタさせているので痛くならない様にクッションを置く事にした



「リキッ」

「んー?あぁ、スズメだねぇ」

「リキリキ」

「可愛いねぇ」

「ハァッ!!」

「ごめんごめん。りきハムちゃんも可愛いよ」

「リキッ」



ご機嫌なりきハムちゃんを撫でてから仕事へ向かう準備をする
あー…りきハムちゃんと家でゴロゴロしてたいなぁ…
何て事も言ってられず急いでメイクをすれば不思議そうにこちらを見上げるつぶらな瞳



「リキ?」

「今日仕事なんだよー」

「ハァッ!?」

「声デカいな…びっくりした…」

「ハァッ!!ハッ!!」

「怒らないで。帰って来たら何か…美味しい物食べよ?」

「ハァッ!!…リキリキリキ…ハッ!!」

「うーん…何がいいかな…ピザとか好き?」

「リキリキッ」

「じゃあピザ取ろうか。一緒に決めようね」

「リキッ」

「いい子で待っててね。いってきます」

「…リキ」



寂しそうにするりきハムちゃんを一撫ですると玄関へ向かう
…いきなり知らない所に連れてこられたんだもんな
そりゃ寂しいよね
今日は定時で帰ろうと心に決めて家を後にする












仕事中もりきハムちゃんが気になって何となく上の空だった
それでもすっかり身体に染み付いた動きは鈍らず淡々と仕事をこなす

家を出る時の寂しそうな雰囲気を思い出す度、胸がきゅっとなってしまう
明日から有休取ろうかな…大分余裕あるし…
うん。そうしよう



繁忙期を過ぎていた事もあり、あっさりと有休が認められると急ぎ足で家へ帰った


















「ただいまー」

「リキリキッ」

「あれっ?りきハムちゃん?」



窓際から動く事の無かったりきハムちゃんが玄関にいた



「どうしたの?待っててくれたの?」

「リキッ」

「玄関先寒かったでしょ」

「リキリキリキ…ハァッ」

「ありがとう。嬉しいよ」

「リキリキ」



私を迎えるためにわざわざ移動して来たのだろうか
短い足をバタバタさせている姿を見て愛おしさが溢れだす
一緒にいて2日目だがすでにこの生き物の虜になってしまったようだ



「明日からお休み取ったからね。力一が帰ってくるまで一緒に遊ぼう」

「リキッ!?リキリキッ!!」



どうやら喜んでくれているようだ
バタバタのスピードがさっきよりも早い

りきハムちゃんを抱え上げるとリビングへ向かう



「約束したし、ピザ頼もうね」

「リキッ」

「何がいいかなー?」

「リキリキ〜?」







ペットの居る生活っていいな…
力一、りきハムちゃんくれないかなぁ…

そんな事を考えながらピザ屋のチラシを広げた

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