in電車
「自然綺麗ですねぇ〜」
「あう」
あれから私たちはケータの指示の元電車に乗ることになった。どうやら今から向かうケマモト村には言い伝えがあり『バッカデカい猫が子供を攫っていく』というモノだった。てか、自然綺麗とハンニャが言っているがさっきから森ばかりで景色は変わらない。所々集落のようなモノが見えるがほぼ森だった。
「あっ!着いたみたいですよ!」
景色に対して心の中で文句を言っていると『終点の毛馬本駅』に着いたようだ。
木造の古びた年季の感じる駅だった。
「早く早くー!」
電車から降り、早く早くと両親を急かすケータ達の後ろを他の人から見えないよう妖怪の姿になって歩く。
村人をチラホラ見かけるが何か異変を感じる……杞憂だといいんだが……
「おばあちゃーん!」
「母さん、ただいま」
「ご無沙汰しております。」
「うんうん、遠い所よく来た、よく来た」
いつの間にか着いていたケータのおばあちゃん家。
昔ながらの和風な家を見ると幼い頃を思い出す、あの頃に戻ってみるのもいいかもしれない。
「さぁ、さぁ疲れたろ」
「今、お茶でもいれるからね」
中に入ると今では珍しい手押しポンプやブラウン管テレビ等の古い道具や物が置かれていた。
土足で入るのもアレなので(土地の神様にガチで怒られるので)取り敢えず「お邪魔します」呟いた。
家に上がるとケータ達はケータのおじいちゃんに当たる『ケイゾウ』という人物の写真の前に行った。
生まれる前に死んだらしい。
そして背後に急に現れたおばあちゃんは少し怖かった。
「おっ、いきなり団子」
「あなたさんも食べる?」
「食べる」
ケータからおやつと思われるいきなり団子を受け取ると早速頂いた。そして一口あんこと芋の甘味が口に広がり、洋菓子では味わえない柔らかい甘みに浸る……うまい。
「ん?何か今通りました?」
縁側で寝転がっていたハンニャが何かの気配を感じ取ったのか急に起き上がった。
ジバニャンも同様直ぐに起き上がり辺りを見渡していた。すると、近くの茂みがガサガサと揺れた為ケータ達は急いで靴を履き家を飛び出して行った。
ガサガサ……
ガサガサガサッ……
追いかける度にガサガサと揺れる植物、何処かへ誘導しているようだ。
「あれ?どこ行っちゃんたんだろう?」
「居なくなっちゃったニャンね……」
ガサガサ(あなた命名)を追いかけていると開けている場所に出た。
そして目の前には古びて蔦が絡みまくっている蔵があった。
「もしかして……この中?」
「開ければ分かるだろう」
勝手に開けていいのか聞いてくるケータに対し、閉めれば問題ないと答えるとケータは建て付けが悪くなったドアを力ずくで開けた。
「うわぁぁぁ!?」
「デカニャン!!?」
蔵を開けるとあの青いデカい猫が蔵にパンパンに詰められていた。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!