声の主たちはかなり近くにいた。
でも、
猪の頭をした人が
蜘蛛の頭をした人に頭を握り潰されそうになっている。
もしかして、鬼同士が争ってます.......?
いやいや、そんな訳がない。
猪の人は人間だ、早く助けねば手遅れになる。
ザンッ
すぐに抜刀し、蜘蛛鬼の
今にも頭を握り潰そうとする腕を斬り落とした。
鬼が悲鳴を上げると同時に
猪の人が地面に叩きつけられた。
わたしが鬼を睨みつけると、
鬼はすぐに腕を再生させ向かってくる。
まるでつむじ風のような円形の斬撃が
蜘蛛鬼をバラバラにした。
頸を斬られた鬼はすぐに塵になって消えた。
わたしは息を荒げた猪の人に近づいて声をかける。
だが、その問いに答えは返ってこず
何故か猪の人は目をキラキラさせて話しかけてきた
羊、女......?
そう高らかに宣言し、猪の人は変なポーズを決める。
わたしがそう言うと、猪の人は沸騰したように怒った。
わたしは、猪の人に流れるような動きで
急所に手刀を浴びせる。
猪の人は声もなくその場に倒れた。
わたしが次の場所に向かおうとすると
むこうから胡蝶さんがやってくるのが見えた。
すぐに走り出してしまいそうな胡蝶さんに
私は静止の声をだす。
わたしが気絶させた人を放ってはおけない。
わたしたちは、冨岡さんと合流すべく駆け出した。
しばらく山の中を駆けていると、
冨岡さんの特徴的な羽織が見えた。
胡蝶さんにそう言われて、冨岡さんの先を見ると
何故か鬼がいた。
なのに冨岡さんはぼーっとしていて斬りもしない。
わたしたちは抜刀し、
何故か隊士が覆い被さっている鬼の頸めがけて
刃を振う、が_________
ガキィィイン!!
冨岡さんに弾かれてしまった。
わたしたちの問いに冨岡さんは答えない。
胡蝶さん、すっごく怒ってますね......
まぁ、わたしも少し怒ってるんですけど
胡蝶さんは迷いもなく冨岡さんに刃を向ける。
なのに、冨岡さんから返ってきたのは
全く関係ない返事
わたしたちの間に衝撃が走る。
こ、胡蝶さん.....?!
言葉の切れ味が鋭すぎますよ
冨岡さんは悲しそうに黙ってしまった。
必死に冨岡さんを励ますわたしを置いて
胡蝶さんは隊士の人に話しかける。
何故か胡蝶さんはヒソヒソと話しかける。
それを聞いて、胡蝶さんは口元を手で覆う。
胡蝶さんは、スッと刀を構えた。
それを聞いた隊士の人は絶句した。
が、冨岡さんと何かを話した後
彼に感謝を述べ走り出した。
わたしも、いつでも冨岡さんと戦えるよう鯉口を切った











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!