第16話

この気持ちは…
207
2021/05/01 14:53




昨日は、自分から抱きしめておきながら






何も言わずに帰っちゃったんだよなぁ…。







1度は、わたしを引き止めてくれたけど






さすがに2度はなかった。






…いったい…この気持ちはなんだろう…







幸せなんだけど…







どこか、苦しくて切なくて…







芽衣を抱きしめてる時は







こんな気持ちにならなかった。









今まで周りから男に間違われたこともあるし






女の子から告白された事はない






と、言えば嘘になる。







だけど、あんなに可愛くて







愛おしくて







綺麗に見えた女の子は






初めてだった。






わたし…ひょっとして…































いやいや!ダメだ!ダメだ!







わたしは、一応女で







彼女も立派な女の子な訳だし






わたしに好意なんてもたれた所で…






彼女からしてみれば、きっと迷惑でしかないんだ…







それに、彼女とはもう会える事はないだろう。





わたしは、自分の家のマンションに帰ってきた。






ガチャ







日暮とわ
日暮とわ
ただいまぁ〜




ふと、下を向くと







全く知らない靴とヒールがあった。









…なんだろ…お客さんかな?







ガチャ







わたしは、リビングのドアを開けた。






日暮萌
日暮萌
あら!とわ!おかえり!
日暮芽衣
日暮芽衣
お姉ちゃん!おかえり!




萌ママと芽衣が笑顔でそう言ってくれた。






男の人と女の人の後ろ姿が。






日暮萌
日暮萌
とわ、こちらパパと同じ会社の方達よ





萌ママがそう言ったのと同時に






2人が椅子から立ち上がって







わたしの方に振り向いた。








一瞬、その瞬間がスローに見えた。







なぜなら


















日暮萌
日暮萌
こちら
「山田涼介さん」と「松田美乃里さん」
松田 美乃里
松田 美乃里
…!!?
日暮とわ
日暮とわ
!!?




彼女もわたしと同じくらい驚いていた。





山田涼介
山田涼介
初めまして。
僕達、日暮さんには
いつもお世話になっております。





え、え、え、






草太パパと同じ会社…の人…?!






2人はわたしに深く頭を下げた。







あ、そだ!わたしも挨拶しなきゃ!





日暮とわ
日暮とわ
は、…初めまして!
「日暮とわ」といいます。
父がお世話になっています。




うーん…こんな感じでいいのかな…。






けど、草太パパいないのに






なんで、ここにいるんだろう…






と思っていると






日暮とわ
日暮とわ
…あれ?芽衣!
その膝どうしたの?
日暮芽衣
日暮芽衣
これね、ちょっと派手に転けちゃって。笑
その時に、このお兄ちゃんとお姉ちゃんが駆け寄ってわたしを助けてくれたの!😊
日暮萌
日暮萌
大事な娘を助けてくれた上に
手当てまでしてくれて、家まで送ってくれたから「お礼に」って言って2人には家にあがって貰ったのよ😊






…なるほど…そういう事か




日暮とわ
日暮とわ
すみません、ありがとうございました!




わたしはそう言うと




松田 美乃里
松田 美乃里
いえいえ、とんでもないです。
山田涼介
山田涼介
こちらこそ、いきなりお邪魔しちゃって…ごめんなさい…笑

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