目覚めた場所はまた暗闇。地面が揺れていた。聴覚が鈍い…飛行機の中にいるのか…?
どんなに瞬きしても暗いままの視界に、僕はようやく目隠しをされているのだと気づいた。大丈夫だよね!?さすがに目玉くり抜かれてたりしないよね!?
かろうじてまぶたと指先だけは動かせるものの、まだ睡眠薬らしきものが抜けきらず、ろれつが回らない…
それに、椅子に縛り付けられているらしく、手も足も、首さえも動かすことはできなかった。
まさに「今からこいつ拷問しま~す」とでも言われそうな状況に、僕は冷や汗を流した。KGBの拷問について同志ソビエトから教わった時のことを思い出したからだ!
「反革命派とフリッツに情をかける必要はない。どうせ処刑するんだ。その前にボロ雑巾になるまで情報を吐かせないとな。」
ホッとしたのも束の間…
え、けど……?
で、どうせありもしないことをやったんだろうとか知ってるんだろうとか聞いて無理矢理「そうです」って言わせて殺す気なんでしょ!?僕知ってるよ!?なんなら同志ソビエトから直接その話聞いたから!!!
ここは正直に答えたほうがいいんだろうか。嫌だよ?僕、せっかく革命成功したのに首が吹っ飛ぶの。え、待って、どう説明しよう……
あああ考えてる余裕なんてない!!!
同志リトアニアの声が凍りついた。
耳元で囁かれ、背筋がぞわぞわする……
ダンッ!!!!!!
同志リトアニアが壁を思いっきり叩く音。
全身が硬直し、鳥肌がぶわぁと立った。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!