光に包まれ、目を開けていられないほど眩しかった。
目を開けるとさっきまでの景色ではなく、音楽室に戻っていた。
目の前には涙を流した先輩の姿をした異形が居た。
そして僕の横に座っていた瑠美さんは立ち上がり、先輩を目掛けて走っていった。
そしてその勢いのまま抱きついた。
先輩が手を動かしたのが見え、攻撃されるのではないかと心配して近寄ったが、その必要はなかった。
瑠美さんを抱き締め返していた。
その瞬間、先輩は倒れ込んだ。
先輩は起き上がり、後ろを向いて文句を言った。
しかし、異形はそんな事は全く気にせず、瑠美さんの前に立ち
と、満面の笑みで瑠美さんにお礼を言った。
刀を首にあて、切ろうとしていたその時。何者かが異形を連れ去った。
訳が分からない。全く言っていることを理解できなかった。それは武田兄妹も同じようだ。
そういうと異形は姿を消した。嵐のような人だ。
また始まった、と思い軽くあしらった。
どうやって相手にしようかと考えていると先輩が話題を変えてくれた。
首を切り損ねてしまった瑠美さんはとっても悲しそうに答えた。
ほんの一瞬でも仲良くなって、姉妹のように見えていた2人。
せめて自分で倒してあげたかっただろうに。悲しいのは当たり前だ。
かける言葉が見つからなかった。
僕は2人に手を振り、帰った。
***
琉唯side
巫がここを去ってからしばらくして、瑠美が声を出した。
瑠美の頭を自分に引き寄せ、顔を隠した。
瑠美は静かに涙を流した。

















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。