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第3話

2話
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2021/10/29 08:13



多分、この時から始まっていたんだと思う。




縋るような思いで




『助けてください…………ッ』





そう言うと、自然と涙が溢れた。





私の言葉を聞いて目の前の彼はふっと口角を片方上げると、次の瞬間


























私の唇を、自分の唇で塞ぐようにキスをした_____









何秒にも及ぶキスで私の頭も混乱した。






こうしているうちに、ストーカー男は見くびって逃げるように去っていったし………








ストーカー男が立ち去れば、その唇は次第に離れていった。





「次こんなことがあればお前はクビになるだろう」






そう彼は言うと私の前から消えていった。









ぱたりと膝が崩れて、そのままいると




「おう、お前が新人ってやつか。俺は九井一だ。」



そう言って控え室に入ってきたのは、私の目当てであった九井さんで。




でも、さっきのことが頭から離れずに九井さんが来たことに気づくまでに少しかかった





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