第41話

登校17日目[としみつ]
537
2020/03/30 07:54
あなたと、「デート」

深夜まで服を選んで寝坊するかもなんで思ってたけど結局起きたのは朝7時。

いつもと変わらない時間。

ソワソワする。これならギリギリまで寝たからよかった。

平日だから母親しかいない。

どうしたの、今日はオシャレだね。洗面台の前から動かなかったし。デート?

なんて聞かれたから「そうだよ。」って答えた。

嬉しそうに笑うからなんとなく気恥ずかしいような気分になった。


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だいぶ早めに家を出るとあなたが見えた。

…いつものあなたじゃない気がしたけど絶対あなただと思った。

振り返るといつもより可愛くて、また胸が痛くなる。











いつも通り話せてはいるけど、緊張で喉が乾く。

何も考えずにアイスティーを頼むと不思議そうな顔をしていちごみるく飲みたいんじゃないの?って聞かれた。

慌てて忘れてたなんて言い訳をすると笑いながら手に持ってたいちごみるくを差し出された。

間接キスになるけど、なんて言わなかった。いつもより甘く感じて余計に喉が渇いた。

嬉しそうに笑って話すからつられて笑う。


まだもう少しだけ。そう思って喋ろうと声をかけると今度はいちごのシェイクが飲みたいって言う。


子供みたいなことをいう好きな人に照れ隠しで腹冷やすよなんて言った。


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席についてすぐ、見慣れた顔。

しばゆー以外は少しだけ気まずそうな顔をした。

…りょうと俺の事を思って冷やかすことも茶化すことも出来ないんだろう。

こういう時にしばゆーがいると助かる。

ゆめまるが露骨なフォローをする。

こういうところは良いやつだなって思う。


[LINE]

[ゆめまる:楽しめよ。ばーか!]


思わず笑ってしまいそうなのを堪えて、うるせぇばーか。と、返した。



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…なんでこうなったのか、あなたの部屋にいる。

緊張してまた飲み物をガブガブと飲み干す。

最近暑いもんね、って気にする様子もなくコップいっぱいの氷とお茶のペットボトルを持ってきてくれた。

部屋に上がるだけで、何をするでもない。ただ2人で課題をするだけなのに緊張してるなんて言えなかった。


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最後に、「デート」だと思ってることだけ伝えよう、そう思って勇気を振り絞って伝えた。


俺、どんな顔してたかな。

顔、赤くなかったかな。



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