今日も学校に行く。
朝は起きられないからあらかじめ制服を来て
用意をしてから寝る。
学校について、また画鋲を投げられて、席に座る。
はっと顔を上げる。誰も居ない。
最近よく聞こえる、朝凪の声。
私に話しかける人なんて居ないよな、
と下を向くと、また声が聞こえる。
これもきっと幻。
机の上に水をこぼされる。
冷たい感触。夢じゃない。
でも、そんなことはいつもと同じ茶番だから。
無視してただぼーっとする。
光莉、朝凪の家に行ったのか。
クズ同士お似合いだな。
あいつが、ほかの病気も持ってる…?
ふざけるな。憎い。逃げたくせに。
…帰る。帰ろう。
どうせ親には何も言われないし、
成績なんて今に始まったことではない。
近くの公園で暇でも潰そう。
そう思って学校を抜け出した。
見覚えのあるどこか懐かしい雰囲気の少女が立っている。
誰だかは知らない。
私の名前を呼ばれた。私は彼女の名前を知らない。
何故か戸惑うことなく話しかけてしまう。
何も分からない私に構わずそう聞いてくる少女。
咄嗟に嘘を付く。
私より年下に見えるこの少女に
真実を言うのは気が引けるからだ。
見抜かれた。
…でも、この少女だって学生のはずだ。
なんだろう。なんなんだろう。
私より1つか2つ年下だと思う。なのに大人びている。
この少女、なんなんだ。
なんでそんなことを聞いてくる。
黙りこくる私にそう言う彼女。
しばらく着いていくことにした。
小さい頃、よく朝凪と遊んだ公園の隅。
草をかき分けて進むと、隠れ家があった。
……見覚えのある場所。
この隠れ家のようなところを作った記憶が流れてくる。
朝凪の日記を見てからというもの、
たまに朝凪の記憶が流れ込んでくることがある。
私のことをなんでそんなに気にするのか。分からない。
どうせこいつも裏切ろうとしてるのだろう。
なんで知ってるんだ。分からない、分からない…
必死に思考を巡らせ、気付いたらそう呟いていた。
彼女はそう言って、この場を立ち去ろうとした。
私が混乱している頃には、彼女はもう消えていた。
………何が起きていたのだろう。また幻覚なのだろう。
だって、
彼女に触れることは出来なかったから。
おかしい。私だって、私だって。





















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。