部屋で勉強を済まして、教科書を棚に戻す。
………ふと、1冊の本が目に入る。
私の日記だ。
小さい頃から毎日書いている。
…こんな色だったっけ。
そう思いながら赤色の本を取り出す。
今日も本を取り、中を開こうとした。
……本の表紙に書いてある言葉、
それを見て私は吐き気がした。
"みあの日記"
嘘だ。なんで。
……喧嘩したときだ。
朝凪は喧嘩したときに何かを机に叩き付けていた。
それがこの日記だったのだろう。
私も机に日記を出していたから入れ違ったのだ。
私の日記は青。
こいつ、私と色違いを持っていたのか。
……興味に負けて中を開く。
あいつの日記、どうせ大したことなんて
書いていないのだろう。
意識が遠のく。………何故だろう。
声も出せず、ただ暗くなる視界。
すると、声が聞こえる。誰だ。
『ねぇ、親友で居ようね!』
『きょうはくーちゃんをあそびにさそったよ!』
『でも、ムリだっていわれちゃった…』
『くーちゃんはおかあさんのことが
だいすきだから"オカアサマ"ってよんでるのかな?
すっごい!あたしもオカアサマってよぼうかな!』
『くーちゃん、たまにちょっとコワい、』
『イッショウケンメイはげましたら、
くーちゃんはすなばあそび
してくれるっていってくれた!』
『やっぱりくーちゃんとあそぶのたのしいな!』
次の日
『きのうすなばであそんだからかな?
くーちゃんおかあさんにおこられちゃったみたい…』
『くーちゃんはそんなことをふざけていってたな…
あたりまえなんかじゃないのになぁ』
『くーちゃん、うでをケガしてた…
アザもあるし、ころんじゃったのかな?』
『くーちゃんとあそぶの、たのしい!
くーちゃん、かわいいな!』
しばらく呼吸が整わなかった。
私は何を見ていた?……
朝凪の声、私が見ていたものに映って居たのは過去の私。
……朝凪の記憶。そう、直感が言っている。
顔を上げたが、誰も居なかった。
ただ、朝凪の日記を眺めた。
『くーちゃん、絶対親友だからさ、
あたしは絶対裏切ったりしないから!
えへへ…お約束っ!!』

















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。