第63話

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2021/02/08 08:06 更新
パタンと扉を閉めると、
白濱(なまえ)
白濱あなた
え!?ふたりともなんでここにっ……
「しーっ」とふたり__壱馬くんと北人くんに言われて慌てて口を押さえる。
川村壱馬
川村壱馬
俺らで連れてきたんだよ
吉野北人
吉野北人
そーそー、夏喜ったら美樹ちゃんに浮気だと思われてるよって言ったら血相変えてここまで来てさ……
そ、そうだったんだ……。
吉野北人
吉野北人
プロポーズの準備だったんだね
川村壱馬
川村壱馬
ああ。うまく行ったみたいでよかった
ってことは、
白濱(なまえ)
白濱あなた
盗み聞きしてたの?
川村壱馬
川村壱馬
……同じ場所で堂々と聞くよりマシじゃないか?
うっ……。
白濱(なまえ)
白濱あなた
出るタイミング逃しちゃって……
吉野北人
吉野北人
まあいいんじゃない?人の家でプロポーズする方が悪いよ、リア充め
あ、北人くん、黒い笑みになってるよ……。
白濱(なまえ)
白濱あなた
ほ、北人くん、北人くんにもすぐいい人が見つかるよ
吉野北人
吉野北人
……うん、そうだね
どこか寂しげに微笑みながらそう言った北人くんに「うん」と頷く。



北人くんみたいにいい人、この世にふたりといないもんね。



絶対すぐ見つかるはずだよ。
川村壱馬
川村壱馬
で、いつまでお前の部屋占領されてるんだ?
白濱(なまえ)
白濱あなた
い、いつまでだろう……
なんだか今はお互いの思いに浸ってそうだしなぁ……。



実際私だって、プロポーズされた後、どのくらいの間壱馬くんの腕の中で泣いてたかわからないくらいだし。
白濱(なまえ)
白濱あなた
まあ、今日くらいは一晩中貸してもいいと思っとくよ
吉野北人
吉野北人
いや、それは色々困るんじゃない?
北人くんの苦笑いにふふっと笑っていると、ガチャりと扉が開く。
堀夏喜
堀夏喜
あなた、場所借りちゃってごめんな
夏喜くんがしっかりと美樹の肩を抱きながらそう言って、私達を見る。
吉野北人
吉野北人
ほーんと、いい迷惑だよ
川村壱馬
川村壱馬
北人……ひがむな
吉野北人
吉野北人
壱馬!夏喜の肩持つの?
堀夏喜
堀夏喜
なんで修羅場みたいになるんだよ!
そんな3人のやり取りに、ついふふっと笑ってしまう。
白濱(なまえ)
白濱あなた
美樹、おめでとう
佐藤美樹
佐藤美樹
ありがとう、あなた
少しだけ腫れた目に反して、キラリと光る左の薬指。



素敵だなぁ……。
吉野北人
吉野北人
あーあ、壱馬に続いて夏喜も結婚かぁ……
川村壱馬
川村壱馬
なんだ、寂しいのか?
吉野北人
吉野北人
ちーがーう、ご祝儀吹っ飛んでいくんだよ
ははは……。



申し訳ない……。
吉野北人
吉野北人
まあ、いいけどね、おめでとう
川村壱馬
川村壱馬
おめでと
堀夏喜
堀夏喜
ん、ふたりともありがと
それから夏喜くんと美樹は仲良く連れ立って帰り、北人くんも「独り身のまま帰りまーす」なんて言いながら去っていった。



そうして私と壱馬くんは部屋に帰ったわけだけど、
川村壱馬
川村壱馬
やっとふたりか……
白濱(なまえ)
白濱あなた
か、壱馬くんっ……
ソファに座ってぎゅーっと私を抱きしめる壱馬くんに、心臓がドキドキと高鳴っていく。



それでもそんな高鳴りもどこか心地よくて……。



そっと抱きしめ返すと、壱馬くんはちょっとだけ驚いた顔で私を見た。
川村壱馬
川村壱馬
……なんか、珍しいな
白濱(なまえ)
白濱あなた
え、そうかな?
さっき壱馬くんと美樹の幸せそうな姿見たから……?
白濱(なまえ)
白濱あなた
なんかね、ほんとに幸せだなって思ったの。壱馬くんにそのこと伝えたくて……
言いながらだんだん顔が赤くなって、壱馬くんを見ていられなくなる。
川村壱馬
川村壱馬
……かわいすぎ
白濱(なまえ)
白濱あなた
えっ?……んっ……
突然唇が重ねられて、ドキドキドキドキと胸がどんどん高鳴っていく。
白濱(なまえ)
白濱あなた
んっ……!か、壱馬くっ……
息が苦しくなってどんどんと胸を叩くと、やっと離してくれた。
白濱(なまえ)
白濱あなた
はあっ……ふ、不意打ち……
川村壱馬
川村壱馬
いや、事前に言っても断られるかと思って
た、たしかに。



だって、いいよって言うの恥ずかしいし……。
川村壱馬
川村壱馬
そうすると不意打ちしかないだろ?
白濱(なまえ)
白濱あなた
そ、そうだけど
心の準備というか、そういうのが欲しいというか……。
川村壱馬
川村壱馬
まあ、結婚式ではそうじゃないし、安心しろ
あ、そっか。



神父さんに『では花嫁にキスを』とか言われてするんだっけ。



まあ打ち合わせとかまだだから、ドラマで見たイメージなんだけど。
白濱(なまえ)
白濱あなた
楽しみだなあ……
川村壱馬
川村壱馬
キスが、か?
白濱(なまえ)
白濱あなた
もう、意地悪
からかうような笑みにちょっと頬を膨らませてそう言うと、壱馬くんはフッと笑って優しく私の髪をすく。
川村壱馬
川村壱馬
……俺も待ち遠しい
白濱(なまえ)
白濱あなた
キスが、でしょ?
そう言って笑い合うと、私たちはもう一度そっとキスを交わした。

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