パタンと扉を閉めると、
「しーっ」とふたり__壱馬くんと北人くんに言われて慌てて口を押さえる。
そ、そうだったんだ……。
ってことは、
うっ……。
あ、北人くん、黒い笑みになってるよ……。
どこか寂しげに微笑みながらそう言った北人くんに「うん」と頷く。
北人くんみたいにいい人、この世にふたりといないもんね。
絶対すぐ見つかるはずだよ。
なんだか今はお互いの思いに浸ってそうだしなぁ……。
実際私だって、プロポーズされた後、どのくらいの間壱馬くんの腕の中で泣いてたかわからないくらいだし。
北人くんの苦笑いにふふっと笑っていると、ガチャりと扉が開く。
夏喜くんがしっかりと美樹の肩を抱きながらそう言って、私達を見る。
そんな3人のやり取りに、ついふふっと笑ってしまう。
少しだけ腫れた目に反して、キラリと光る左の薬指。
素敵だなぁ……。
ははは……。
申し訳ない……。
それから夏喜くんと美樹は仲良く連れ立って帰り、北人くんも「独り身のまま帰りまーす」なんて言いながら去っていった。
そうして私と壱馬くんは部屋に帰ったわけだけど、
ソファに座ってぎゅーっと私を抱きしめる壱馬くんに、心臓がドキドキと高鳴っていく。
それでもそんな高鳴りもどこか心地よくて……。
そっと抱きしめ返すと、壱馬くんはちょっとだけ驚いた顔で私を見た。
さっき壱馬くんと美樹の幸せそうな姿見たから……?
言いながらだんだん顔が赤くなって、壱馬くんを見ていられなくなる。
突然唇が重ねられて、ドキドキドキドキと胸がどんどん高鳴っていく。
息が苦しくなってどんどんと胸を叩くと、やっと離してくれた。
た、たしかに。
だって、いいよって言うの恥ずかしいし……。
心の準備というか、そういうのが欲しいというか……。
あ、そっか。
神父さんに『では花嫁にキスを』とか言われてするんだっけ。
まあ打ち合わせとかまだだから、ドラマで見たイメージなんだけど。
からかうような笑みにちょっと頬を膨らませてそう言うと、壱馬くんはフッと笑って優しく私の髪をすく。
そう言って笑い合うと、私たちはもう一度そっとキスを交わした。
















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。