【海人side】
昨日の夜遅く。
あなたにあんなこと言われて、正直……信じられなかった。
楽屋で、今は廉と二人。
廉の不思議そうな顔を見つめながら、昨日の出来事を思い出した。
*
あなたは俺に言った。
そう儚く笑う。
廉に、ジンと別れたってことも聞いてる。
だからこそ、あなたが心配。
次の瞬間、俺は口をつぐんだ。
……あなたの表情が寂しそうだったから。
俺、あなたのことなんも分かってないじゃん。
何でそんな顔するの……?
何も、言えなかった。
*
ごめんあなた。
俺、全然優しくない。
いくらあなたでも、あの願いだけは聞けない。
だって、後悔して欲しくないから。
あなたにも、廉にも。
廉にだけは、言ってもいいよね……?
ダメだよ海ちゃん、って言うあなたの姿が想像できる。
けど、少し廉の背中を押したい。
………本音を言うと、嫌だけど。
嫌なのに、応援したいって思うのは何でなんだろ?
そんな疑問に浸ってる暇はない。
あーあ、言っちゃった。
けど廉だって、こんな別れ方は嫌だよね?















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。