第4話

呪いの子③
287
2023/12/02 06:54
乙骨憂太
乙骨憂太
禪院さん、怖くないの?
禪院真希
禪院真希
苗字で呼ぶな
乙骨憂太
乙骨憂太
ごっ、ごめん、でも無茶苦茶いそうだよ……
いや、もうでてるけど
禪院真希
禪院真希
(帳が下りてるのに呪いがすくない……いや、
いるのに襲ってこない)
乙骨憂太
乙骨憂太
あわわわわわ
禪院真希
禪院真希
(まさか、こいつがいるからか……?)
禪院真希
禪院真希
おい
乙骨憂太
乙骨憂太
はい!?
禪院真希
禪院真希
お前、何級だよ?
乙骨憂太
乙骨憂太
え?英検?
禪院真希
禪院真希
呪術師には4から1の階級があんだよ
乙骨憂太
乙骨憂太
でも僕、呪術高専来たばっかだし、
そんなんないんじゃ………
禪院真希
禪院真希
あー、もういい、学生証見せろ。
バカ目隠しからもらったろ?
乙骨憂太
乙骨憂太
……バカ目隠し……。はい、どうぞ……
禪院真希
禪院真希
ま、前歴なしで入学なら4級……
禪院真希
禪院真希
(特級!?)
禪院真希
禪院真希
(特級って……1級のさらにうえだろ?
こんなん冗談でしか
聞かねーレベルだろ!!)
乙骨憂太
乙骨憂太
禪院さん!!
乙骨憂太
乙骨憂太
うしろ……
呪霊
呪霊
禪院真希
禪院真希
………!
乙骨憂太
乙骨憂太
………!
グギャッ。
ビキビキ
パリーン
ドドン!
禪院真希
禪院真希
チッ
乙骨憂太
乙骨憂太
あわわわわわ
禪院真希
禪院真希
クソッ!!無駄にでけぇな!
ぐぱぁ
禪院真希
禪院真希
げ!
ガッ
呪霊
呪霊
ごくんっ
呪霊
呪霊
ごちごちごちごちそぉさまぁああああああん
ーーーーーーーーーーーーーー
禪院真希
禪院真希
クソ!呪具おとした!
禪院真希
禪院真希
出せゴラァ!!
乙骨憂太
乙骨憂太
ここは?
禪院真希
禪院真希
あの呪いの腹の中だよ。
こん位で気絶してんじゃねー
乙骨憂太
乙骨憂太
ってことは食べられたの??
禪院真希
禪院真希
そうだ。テメェ、
呪いに守られてんじゃねーのかよ!!
乙骨憂太
乙骨憂太
里香ちゃんがいつ出てくるか、
僕にもよくわからないんだ!
それよりどうするの!!?
禪院真希
禪院真希
時間がきて『帳』があがれば助けがくる。
恥だ、クソ!
子供
子供
助けて
禪院真希
禪院真希
あ?
子供
子供
ヒューヒュー
子供
子供
おねがい、こいつ死にそうなんだ
乙骨憂太
乙骨憂太
よかった、生きてた……
禪院真希
禪院真希
よくねぇよ
禪院真希
禪院真希
ちゃんと見ろ。デカいほうも完全に
呪いにあてられてる。
2人ともいつ死んでもおかしくねぇ
乙骨憂太
乙骨憂太
そんな!!どうすれば……!!
禪院真希
禪院真希
どうにも!!助けを待つしかねぇよ!!
禪院真希
禪院真希
誰もがお前みてぇに呪いに耐性が
あるわけじゃねーんだよ
乙骨憂太
乙骨憂太
……禪院さん?
乙骨憂太
乙骨憂太
禪院さん!?
乙骨憂太
乙骨憂太
なんだ、この傷……呪いがかかってるのか……?
子供
子供
お姉ちゃん、死んじゃうの?ねぇ?
助けてよ、お兄ちゃん!
子供
子供
ねぇ!
乙骨憂太
乙骨憂太
……そんなこと言ったって、
無理だよ。僕じゃ………
禪院真希
禪院真希
乙骨……お前、マジでなにしに来たんだ……
呪術高専によ!!
禪院真希
禪院真希
なにがしたい!!なにがほしい!!
なにを叶えたい!!
乙骨憂太
乙骨憂太
……僕は……
本当は。僕は。
乙骨憂太
乙骨憂太
もう誰も傷つけたくなくて……閉じこもって、
消えようとしたんだ……でも……
ーひとりは寂しいよー
乙骨憂太
乙骨憂太
ひとりは寂しいよって言われて、
言いかえせなかったんだ
乙骨憂太
乙骨憂太
誰かと関わりたい
乙骨憂太
乙骨憂太
誰かに必要とされて、生きていいって、
自信がほしいんだ
禪院真希
禪院真希
コクッ
禪院真希
禪院真希
じゃあ、祓え
禪院真希
禪院真希
呪いを祓って、祓って、祓いまくれ!!
自信も他人も!!
その後からついてくんだよ!!
呪術高専は、そういう場所だ!!
ドサッ
生きるよ。
乙骨憂太
乙骨憂太
……里香ちゃん
折本里香
折本里香
なぁに?
乙骨憂太
乙骨憂太
力を貸して
ーーーーーーーーーーーーーーーー
呪霊
呪霊
ぎょえっ!
折本里香
折本里香
イ゛アァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!
呪霊
呪霊
あぉおぉ?だァれぇ???
折本里香
折本里香
う゛う゛う゛う゛るさい
グシャリ
ーーーーーーーーーーーーーー
五条悟
五条悟
すさまじいね。
これが特級過呪怨霊・折本里香の全容か。
ククク……怖い怖い
ーーーーーーーーーーーーーーー
折本里香
折本里香
わぁ     きれぇ
折本里香
折本里香
りか     きれぇなの     すきぃ
グチョグチョ
乙骨憂太
乙骨憂太
はぁ、はっ
乙骨憂太
乙骨憂太
………っんぐ……皆……もう少しだから!!
乙骨憂太
乙骨憂太
(はやく皆を先生に診せなきゃ!
呪いが里香ちゃんの気をひいているうちに)
乙骨憂太
乙骨憂太
……………っ!!
乙骨憂太
乙骨憂太
まだ倒れるな………!まだ!!
乙骨憂太
乙骨憂太
ここで変わるって決めたじゃないか!!!
絶対助ける。
折本里香
折本里香
がんばれ、憂太
乙骨憂太
乙骨憂太
…………うん。がんばるよ!!!
ーーーーーーーーーーーーーーー
五条悟
五条悟
おかえり。がんばったね
五条悟
五条悟
問題ないってさ、真希も子供も
乙骨憂太
乙骨憂太
よかった……
五条悟
五条悟
なにかスッキリしない顔だね
乙骨憂太
乙骨憂太
……はじめて、自分から
里香ちゃんを呼びました
五条悟
五条悟
そっか。一歩前進だね

いつだったか、僕も入院したことがあったな……。
あのときは、肺炎で咳が苦しくて……。
かといってずっとねてるのも辛くて。
そうだ、退屈しのぎに病院の探検にでたんだ。
病院の中じゃ面白いことなんて、無かったけど。
……そんなときに、里香ちゃんを見つけた。
何で里香ちゃんは同じ病院に入院してたんだろう
直ぐに仲良くなって元気になったら沢山遊ぼうって決めた。
公園で地球儀みたいなジャングルジムを回してあげたときの
里香ちゃん、嬉しそうだったな。

折本里香
折本里香
やめてよ憂太!
って言いながら、楽しそうに笑ってた。
それで夏はやっぱり、水風船爆弾。
里香ちゃんに思いきり投げつけられて、
乙骨憂太
乙骨憂太
やめてよー里香ちゃん
って逃げた。
それでも里香ちゃんは、
折本里香
折本里香
それっ、食らえ!
って投げできたっけ。
そんな夏が終わる頃、
折本里香
折本里香
大人になったら、里香と憂太は結婚するの
って言ってくれた。
恥ずかしそうな顔、やっぱり可愛かった。
その時、僕はこういったんだ。
乙骨憂太
乙骨憂太
じゃあ、僕らはずーっとずーっと、一緒だね
ずっと一緒。
そういったんじゃないか。

五条悟
五条悟
どうかした?
乙骨憂太
乙骨憂太
いえ……少し、思い出したんです
里香ちゃんが大好きだったことを
乙骨憂太
乙骨憂太
……里香ちゃんが僕に呪いを
かけたんじゃなくて、僕が里香ちゃんに
呪いをかけたのかもしれません
五条悟
五条悟
……これは持論だけどね
五条悟
五条悟
愛ほど歪んだ呪いはないよ
乙骨憂太
乙骨憂太
……
もしかしたら、自分の執着が里香ちゃんを
縛りつけているのかもしれない。
乙骨憂太
乙骨憂太
先生………
乙骨憂太
乙骨憂太
僕は呪術高専で里香ちゃんの呪いを解きます
五条悟
五条悟
フッ
????
………



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