────私の目の前に現れたのは、
3級ほどの低級呪霊。
特別動きが俊敏なわけでもない
雑魚呪霊だったので、いつも通り
呪具を取り出して祓おうとした。
多分今、もう一体出た。
これより等級も高そうだし。
…しかもこれ、位置的に多分
体育館の方にいる。
私の呪具は短剣だから近接攻撃。
たくさん返り血浴びちゃったけど…
どうせ一般人には見えないし、
すぐに消えるから大丈夫
私は走って体育館へと向かった。
ヤバい、こんなに猛ダッシュ
してたらさすがに疑われる───
陰から問題の体育館裏を覗く。
案の定、数名の部員が呪霊に
襲われているところを目撃した。
今は " 視えてる " っぽくて、その場に
いるのは3人。
一般人がいるようじゃ前に出て
祓うわけにもいかないし…、
さっさと終わらせたいから、無駄な
足掻きをしてほしくないものである。
私が覚悟を決めて前に出ようと
した、ちょうどその時
───突然、目の前の呪霊が
彼等の少し手前で文字通り " 潰れた " 。
そう言ってマネージャーの両手を
握る主将、そして照れる彼女。
…今の、多分本当にあの女が祓った
今覚醒したのか、それとも元々
" こっち側 " を知っていたのか
呪霊は完全に消えたし、自分が
ここにずっと潜んでいるのも不自然
なので、とりあえず体育館内に戻った。
───数分後
血を流した主将の足を見て、数名の
部員が慌てて駆け寄る。
恐らく、さっき襲われたときに
できたんだろうけど…
しかし、足の怪我は " 転んだ " と
言って誤魔化していた。
恐らく、『 化け物に襲われたって
言うとパニックになる 』とでも
マネージャーが提案して、3人で
口裏を合わせたのだろう。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!