ドリンクを選手たちに渡すべく、
カゴをコートの近くに運ぶ。
プレイを見ていた英が、私に
気付くと駆け寄ってきた。
基礎的な体術とか、そういう
訓練はしている方だと思う。
だからこそ、このカゴだって
軽々と持ち上げることが
できたのだろう。
…無いと思うけど、これで浮いて
ないといいな
向こうはマジで家の人たちが
やってくれてたからな…、
人のために自分が働くのは結構
初めてで、私には新鮮だった。
今の部員達の反応を見るあたり、
私を良く思っていない人は
一定数いるだろう。
…嫌われているのに、その部員達
の部活のために私がサポートだけ
しなきゃいけないってことでしょ。
私はコートの隅を指さして言う。
『 あと名前は櫻井です 』と
付け足すと、今度は別の質問を
投げかけられた。
────それだけ言い残し、
彼はため息をついてその場を
後にした。
大したものではないが、恐らく
反対側の校舎に呪霊が出た。
私は、呪霊がいるであろう
場所へと歩みを進めた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。