第5話

ep.4
523
2026/02/17 05:32 更新
翌日、移動教室の時間。

廊下はいつもより騒がしかった。
前の方で、女子たちの黄色い声が上がる。

「きゃー!」「やばい、並んでる…!」

何事かと思って視線を向けると、
人だかりの中心に、サンウォン先輩と――もう一人。

背が高くて、少しラフな雰囲気の先輩。
余裕のある笑い方をしている。
ジヨン
ジヨン
うわぁ、サンウォン先輩とゴヌ先輩じゃん
ジヨン
ジヨン
あなた、あれ二年生の超有名コンビだよ
ジヨンが小声で言う。

そのとき、ちょうど目が合った。

私は小さく会釈をする。

すると――
サンウォン
サンウォン
お!あんにょん
笑顔は王子様だったけれど、自然な声でサンウォン先輩が言った。

一瞬、周りの空気が止まった気がする。
(なまえ)
あなた
あ、あにょはせよ...!
慌てて返す。

隣の先輩が、面白そうにこちらを見る。
ゴヌ
ゴヌ
知り合い?
サンウォン
サンウォン
うん
サンウォンはそれだけ答える。

ジヨンがぺこっと頭を下げた。
ジヨン
ジヨン
あ、あなたの友達です
サンウォン
サンウォン
クレ、よろしくね
そして、なんだか隣のきム・ゴヌ先輩は、
私をじっと見て、口角を上げる。
ゴヌ
ゴヌ
可愛いね
(なまえ)
あなた
.......⁉
慣れてなさ過ぎて、一気に顔が熱くなる。
サンウォン
サンウォン
や、ゴヌ
サンウォン先輩が少しだけ低い声で呼ぶ。
でも怒っているわけではなく、どこか抑えた感じ
ゴヌ
ゴヌ
みあねーーㅎㅎ
ゴヌ
ゴヌ
でもほんとだよ?
サンウォン
サンウォン
こら、あなた困ってるでしょ
ジヨン
ジヨン
あんたこれどういう状況よ
(なまえ)
あなた
わかんない…ㅎ
すると先輩が一歩、私たちに近づいて
サンウォン
サンウォン
あなたたち移動教室だよね?早く行かなきゃじゃない?ごめんね
と言った。
その言葉を発するのに、どこか焦っているようで。
サンウォン
サンウォン
ほら、ゴヌ行くぞ
ゴヌ
ゴヌ
えー?まだ大丈夫でしょー
サンウォン
サンウォン
いいからっ!
そのまま二人は歩き出す。

去り際、サンウォンが一瞬だけこちらを見る。

ほんの少しだけ拗ねたみたいな目で何かを訴えてくる。

何が言いたかったのかはわからなかったけれど、
それは放課後音楽室で聞くことにしよう。
ジヨン
ジヨン
ちょっと待って何あれ!
横でジヨンが爆発した。
ジヨン
ジヨン
あなた何⁉サンウォン先輩とどういう関係⁉
(なまえ)
あなた
どういうってその.....
ジヨン
ジヨン
まさか、か、彼氏...?
(なまえ)
あなた
ち、違うよ‼
ジヨン
ジヨン
朝からあんなイケメン二人に絡まれる一年生いないよ⁉
ジヨン
ジヨン
しかもゴヌ先輩に可愛いって言われてたし!
ジヨン
ジヨン
音楽室行ってるって言ってたよね?もしかして会ってるの...?
(なまえ)
あなた
た、たまたまだよ~はは
ジヨンからの質問攻撃を避けながら教室へ向かう。
ジヨン
ジヨン
絶対たまたまじゃない!!
ジヨンの目がきらきらしている。
(なまえ)
あなた
ま、まあ、のちのち話すからさぁ今はとりあえず教室行こ?ㅎ
ジヨン
ジヨン
あらっそーー絶対だよ?
私の前に仁王立ちしてそう言ってくる。
(なまえ)
あなた
わかったってㅎㅎ
そして――

(早く行かなきゃじゃない?って……)

あれ、ちょっとだけ。

ほんの少しだけ。

可愛かった。
ジヨン
ジヨン
あーーなんか口角上がってますけどお嬢さん
(なまえ)
あなた
気のせいだよ行くよ!
そう言って、私はそれをごまかすように走っていった。
ジヨン
ジヨン
あ~あ~早いってば~!

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