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第1話

ナルシストでチャラ男でクズな青年
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2021/11/12 05:14 更新
渋谷。
そこは人がごった返す地域。
そう、正に『人がゴミのようだ』状態である。
そんな人ごみの中でも際立つ青年が1人。
その青年はスラリとした体型だが、程よい筋肉がつき、何を着ても似合いそうで、誰もが振り返り、目を奪われてしまう…俗に言う、イケメンだった。
そんな青年が1人の少女と話していた。
…いや、正確に言うとナンパをしている。
『ねぇねぇ君かわいいね!名前なに?連絡先教えてよ!』
彼の透き通るような声が耳に届く。
「あ、えと、その…」
心做しか、口説かれてる少女の頬と耳は赤く染まっていた。
彼女は戸惑いながらも鞄からスマホをとりだそうとした、その時だった。
『いだ!!!!』
突如、彼の頭に痛みが走る。
夜久「おい如月!てめぇまた女の子ナンパしてんじゃねえよ!」
『あぁ、夜久さん。やだな〜ナンパなんて。
まるで俺がチャラ男で可愛い女の子ならなんでもいいみたいな言い方じゃないですか。』
…実際そうである。この青年は誰もが認めるイケメンで、クズな男なのだ。
『てか、なんで渋谷いるって分かるんすか!しかもこんなピンポイントに見つけてくれるなんて…俺のこと大好きすか?』
夜久「あぁ!?研磨だよ、教えてくれたのは!」
如月、と呼ばれた青年より遥かに小さい彼は青年の首根っこを掴み、少女に頭を下げる。
夜久「すみません。うちの奴が…」
夜久はペコペコしながら彼にも謝罪を促す。
だが彼は夜久の言うことを無視しまた彼女を口説き始める。
『あははごめんね〜、次会ったら一緒にお茶しようね〜』
夜久の手からするりと抜け、背を向けながら手をヒラヒラとして歩く彼。
夜久「おい待てよ!」
もう一度少女に頭を下げてから夜久は彼を追いかけた。
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夜久「…はぁ、ったく、お前の母ちゃん心配してたぞ」
『マジすか?帰ってきたら殺されちゃうなぁ〜』
申し訳程度につけられた電柱のあかりが彼らを照らす。
夜久「…あんま夜遊びすんじゃねぇよ。心配してんだよ俺だって。」
『へぇ、夜久さんが心配か…。明日は槍でも振りそうっすね!』
ガツンと夜久が彼の頭を殴る。
…容赦というものを夜久は知らない。
『…ってぇ。』
夜久「頼りにしてんだからさ。俺らのマネージャー。」
『…っす。』



───今夜は満月。
月が彼らを暖かく見守っていた。

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