第6話

「memory 5」
87
2025/08/19 07:41 更新













『脚部の完全な故障を確認。』




『自己修復を行う為 一度プログラムを中断します。』









『バッテリー残量 12%』


『残り40分または45分間の活動が可能』













少女は何を思うか、


近くの花壇のふちに座り、怪我をした左足に、

修復道具に変わった左手を当て始めた。



すると、足の裂け目から、バチバチと
機械を修理するような音がした。








少女
......。

















僕らは、不思議な行動をとる彼女を

遠くの茂みから、ずっと見ていた。





緑谷出久(デク)
......。





左手が変形した....?足を治している、

それに、あの異形な右手に、裂け目がある足.....、




まるで、「壊れたロボット」みたいだ....。





麗日お茶子
....デクくん、あの子、
麗日お茶子
すごい可愛い。
緑谷出久(デク)
...麗日さん?
麗日お茶子
でも....、








麗日お茶子
自分の怪我を、自分で直してるの、
ロボットみたいな....。








緑谷出久(デク)
....僕が話しかけに行ってみるよ。
麗日お茶子
え、大丈夫なん...?
緑谷出久(デク)
僕に何かあったら、
麗日さんは、みんなに連絡して。
麗日お茶子
....わかった。








僕は慎重に、怪しまれない程度に、


白い女の子の元へ歩いていった。
























『左脚の修復が完了。』



『右脚の修復を行います。』







『報告 周囲に接近を試みる者を感知。』








『一度 修復作業を中止します。』
















デクが少し近づいた瞬間、


少女の左手は、元通りになっていた。





緑谷出久(デク)
緑谷出久(デク)
.....。










できる限り、距離を置いて話しかけてみよう....。













緑谷出久(デク)
あ、あの、君!
緑谷出久(デク)
こんな時間にこんなところでどうしたの...?






女の子は、ギシギシといいながら、

首をこちらに向けた。







少女
.......。





緑谷出久(デク)
え....えっと....。






女の子はじーっとこちらを見つめるばかりで、


答えがなかった。







緑谷出久(デク)
....君、どこから来たの?





少女
.....。








『質問を解析中.....。』







少女
....諸事情により
質問にお答えすることは不可能。
緑谷出久(デク)
え、
少女
また  マスターからの
指示が存在しない場合 私に関連する質問に
お答えすることは不可能と判断しました。
緑谷出久(デク)
...マスター?
少女
諸事情により
質問にお答えすることは不可能。






なんなんだ、この子は....。


それに、左目が....!!





まるで、本当に、




ロボットのような喋り方をする。








緑谷出久(デク)
....大丈夫なら、良かった。
緑谷出久(デク)
お母さんとお父さんが来るまで、
一緒に.....、
少女
そのようなことは不要。
少女
私に保護者という概念は
存在しません。
緑谷出久(デク)
.....そっか....、
ごめんね、悲しいことを聞いて...。
少女
....私に同情の余地など不要。
少女
貴方が哀れむ感情を私へ向けることは
貴方を不快にさせてしまう行為と判断。
緑谷出久(デク)
え、いやいや!
全然不快になんて思ってないよ!
緑谷出久(デク)
...そうだ!
とりあえず、何かあったら、
『雄英高校』においで。





緑谷出久(デク)
僕がいるから!







僕は咄嗟に、そう言ってしまった。

ヒーローになるのなら、ここで、何かをするべきだけど....、


この子が「大丈夫」だって、こんなにも言うのなら、


大丈夫かな ...。










麗日お茶子
どうだった?
緑谷出久(デク)
「大丈夫」だって、難しい言葉で。






僕は苦笑いをしながら、


事情を話した。





麗日さんは案外すぐに納得してくれた。





























少女は、遠くからずっと、2人のことを見ていた。











『プロフィールデータに接続中....成功しました。』







『雄英高校 ヒーロー科 1年A組 5番 「麗日お茶子」』


『個性「無重力ゼログラビティ」』






『雄英高校 ヒーロー科 1年A組 18番「緑谷出久」』


『個性.......』














『個性に関するデータの接続に失敗しました。』



『正しい情報ではない または環境の問題が原因。』



















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