第91話

チャンス
61
2025/12/27 22:00 更新
グサーナ
はぁはぁ
ヒナ
ん。
グサーナ
期待外れだったね
ヒナ
カハッ
視界の先にいるものは何者だ?
私とこの少女が離れようとしている。
なんだその目は、慈悲もない。
まだ、死ねない、死にたく、ない。
…?どうして?

何で死にたくないんだっけ?
誰かのためだった気がする。
誰だろう…その人は、大切な人で、
忘れるはずないひとで…
「ヒナには私が与えるわ。」

「それがいいだろう。…ルカはもう覚醒手前だ。」

「寂しくなるわね。」

「……」

(すすり泣く音)
「泣くな、すぐに会える。」

「違うの、あの子達を置いていかなければならないのが、とても怖い…。」
「15か、俺たちよりよほど速い。」

「えぇ、そうね。」
「じゃあ、やってくれ。」

「……」

「愛してるよ。」

「私も。」

(刃が入る音)
ヒナ
アッアァ!!ア"ア"ア"ア"ア"
グサーナ
なにこれ?

なにこれ?

あの日の夜、前の日の夜、
パパ、ママ…。死ん…ちがう、
違うよ、

見てない、ヒナは見てないよ…
ヒナ
…せいだ
グサーナ
…?
ヒナ
お前らのせいだな!
許さない、許さないんだから!
グサーナ
(不安定になってる、ヴァンパイア?
速く切り離さないと、侵食してるんだ。)
視界に捉えたのは偶然だった、
腕を失った女と医療をしていた奴、
見たのだ、魔力の繋ぎ糸…
糸を、細いチャンスを辿るように走った。
涙が溢れた、なにをすれば良いのか分からなかった。
手を伸ばし懇願した。
<終着点>
泉の音、俺の願いは…
次回「光→時」

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