ツー ツー ツー ツー …
どこかで響く規則的なリズム。
消毒液の匂い。
自分の部屋ではない天井。
「 チクッとしますよ〜 」
早朝4時、小声で囁かれる。
すらっとした華奢な指が自分の肌に触れ、
吸いつくような気持ちよさで脈をとられ、
まだ眠いあなたの一人称の目を真っ直ぐ見つめる美しい人が
心に住みつくのに時間はかからなかった──────────。
居心地のわるいベッドや、
勝手が分からない無機質な部屋での、
この膨大な時間の過ごし方にも。
1週間もすると、この生活にも慣れてくる。
─────チョット刺激的な朝にも。
1週間もすれば、人は恋に落ちる。
─────自分がこんなに惚れっぽい人間だとは思ってもみなかった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!