第12話

第八幕
176
2025/03/21 14:47 更新
side:有馬かな
かな
かな
… 凄い …
ルビーが一言発した瞬間 、 空気が変わった 。
流石 、 今を駆ける女優というか 。
役者を潰す役者 。 それが星野ルビーの別名だ 。
彼女のあまりの存在感 。
誰をかもを惹きつける天性の才能 。
名のある役者も 、 どんなに個性的な演技をする役者も 。
彼女に飲み込まれ 、 そして彼女の虜になる 。
まるで 、 化け物 。
基本的に役者をサポートして 、
引き立てる私とは全く違う 。
カメラの中という舞台で 、 最も輝いているあいつに
腹が立って 、 悔しくて 。 だけれどやっぱり 、
“ 羨ましい ”
あぁ 、 そんなに自由に舞台で演技できるなんて 、
良いわよね 、 あんたは !
全く 、 これに合わせて 、 そして大根役者のサポートも
しなきゃいけないこっちの身にもなって欲しい 。
だけど 、 大変というよりも楽しいと思ってしまう自分に少し呆れてしまう 。
これ( 演技)は 、 元は自分の意思なんか絡んでいなかったけど 。
なんだかんだ言って 、 やっぱり私は演技が
好きなんだろう 。
side:星野ルビー
ここは 、 原作屈指の名シーン 。
ヒーローとストーカーの対決で 、 愛を知らない主人公が 初めて誰かに守られ 、 涙を流す 。
何度読んでも泣けるようなシーンで 、
ネットを見ても軒並み評価は高い 。
ストーカーのちゃんとした描写が出てくるシーンは
とても少なく 、 だからこそ此処は 、 ページが 、 インクが
擦り切れる程何度も読んだ 。 赤いマーカーでいくつもの文字が書かれたそれは 、 凡そ人に見せられるようなものではない 。 それはもう 、 漫画じゃなくて 、 作者の
気持ちを読み解くための問題文 。
元々 、 このドラマは演技が下手くそな人が多くて 、
何度も何度も修正が入れられた作品 。 だから 、 多少の
アドリブは許してもらえる 。
さぁ 、 大根役者 。
演技が下手なら 、 本音ならどうだ ?
どうせこの手の輩は 、 ただ自分の顔の良さに
かまけた人ばかり 。 それ故に 、 ルックスに対する
自尊心も大きい 。
だから少し 、 顔を馬鹿にするような言動を見せると 、
すぐに噛みついてくる 。
_ ここは 、 ヒーローとストーカーの対決のシーン 。
多少殴りかかってきたって 、 それはなんら不自然な事
ではない 。
… ほら 、 少し意図を汲むだけで 、
すごく原作っぽくなった 。
さぁ 、 引導は持ってきてあげたよ 、 先輩 。
腐っても私の師匠なんだもの 、 真逆 、 私に負けるような演技はしないよね ?
side:有馬かな
ふん 、 そういうことね … この馬鹿弟子め 、
随分と面倒な導入をしてくれるじゃないの 。
… だけど、 良いわ 。 そこまでお膳立てされちゃ 、
応えないのも失礼よね ‼︎
ルビー
ルビー
_ お前なんて誰にも必要とされてない
ルビー
ルビー
身の程弁えて生きろよ 、
夢見てんじゃねぇよ !


ストーカー
… この先も碌な事はない 。
お前の人生は真っ暗闇だ !














かな
かな
… それでも 。















かな
かな
それでも 、 光はあるから _
ストーカー役の言葉って軒並み、その時点の
かなちゃんに宛てたみたいな言葉なんですよね…。
オワコン、と言われるかなちゃんに、
誰にも必要とされてない、という言葉。
いつかチャンスがくるかもしれないと期待する
かなちゃんに、夢見てんじゃねぇよ、という言葉。
うぅん…凄い。
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