side:有馬かな
ルビーが一言発した瞬間 、 空気が変わった 。
流石 、 今を駆ける女優というか 。
役者を潰す役者 。 それが星野ルビーの別名だ 。
彼女のあまりの存在感 。
誰をかもを惹きつける天性の才能 。
名のある役者も 、 どんなに個性的な演技をする役者も 。
彼女に飲み込まれ 、 そして彼女の虜になる 。
まるで 、 化け物 。
基本的に役者をサポートして 、
引き立てる私とは全く違う 。
カメラの中という舞台で 、 最も輝いているあいつに
腹が立って 、 悔しくて 。 だけれどやっぱり 、
“ 羨ましい ”
あぁ 、 そんなに自由に舞台で演技できるなんて 、
良いわよね 、 あんたは !
全く 、 これに合わせて 、 そして大根役者のサポートも
しなきゃいけないこっちの身にもなって欲しい 。
だけど 、 大変というよりも楽しいと思ってしまう自分に少し呆れてしまう 。
これは 、 元は自分の意思なんか絡んでいなかったけど 。
なんだかんだ言って 、 やっぱり私は演技が
好きなんだろう 。
side:星野ルビー
ここは 、 原作屈指の名シーン 。
ヒーローとストーカーの対決で 、 愛を知らない主人公が 初めて誰かに守られ 、 涙を流す 。
何度読んでも泣けるようなシーンで 、
ネットを見ても軒並み評価は高い 。
ストーカーのちゃんとした描写が出てくるシーンは
とても少なく 、 だからこそ此処は 、 ページが 、 インクが
擦り切れる程何度も読んだ 。 赤いマーカーでいくつもの文字が書かれたそれは 、 凡そ人に見せられるようなものではない 。 それはもう 、 漫画じゃなくて 、 作者の
気持ちを読み解くための問題文 。
元々 、 このドラマは演技が下手くそな人が多くて 、
何度も何度も修正が入れられた作品 。 だから 、 多少の
アドリブは許してもらえる 。
さぁ 、 大根役者 。
演技が下手なら 、 本音ならどうだ ?
どうせこの手の輩は 、 ただ自分の顔の良さに
かまけた人ばかり 。 それ故に 、 ルックスに対する
自尊心も大きい 。
だから少し 、 顔を馬鹿にするような言動を見せると 、
すぐに噛みついてくる 。
_ ここは 、 ヒーローとストーカーの対決のシーン 。
多少殴りかかってきたって 、 それはなんら不自然な事
ではない 。
… ほら 、 少し意図を汲むだけで 、
すごく原作っぽくなった 。
さぁ 、 引導は持ってきてあげたよ 、 先輩 。
腐っても私の師匠なんだもの 、 真逆 、 私に負けるような演技はしないよね ?
side:有馬かな
ふん 、 そういうことね … この馬鹿弟子め 、
随分と面倒な導入をしてくれるじゃないの 。
… だけど、 良いわ 。 そこまでお膳立てされちゃ 、
応えないのも失礼よね ‼︎
ストーカー役の言葉って軒並み、その時点の
かなちゃんに宛てたみたいな言葉なんですよね…。
オワコン、と言われるかなちゃんに、
誰にも必要とされてない、という言葉。
いつかチャンスがくるかもしれないと期待する
かなちゃんに、夢見てんじゃねぇよ、という言葉。
うぅん…凄い。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。