私は仕事の休憩に行こうとしていた。
休憩場所に行こうとすると、誰かが煙草を吸っていたのだ。
私は屋上に行く途中でその匂いがしたので、すぐにあの2人のどちらかがいると理解出来た。
〜屋上到着〜
そう思っていたのも束の間、私はその時に何かを見たのだ。
…しかも翼のような影が。
私は咄嗟に壁に隠れた。
隠れながら見ていたが、とても綺麗な黒い翼。 思わず見とれそうになってしまう。
と思った次の瞬間。
後ろから声がしたのだ。
しかも、後ろにはいなかったはずの人間が背後にいる。
私は気づいたものの遅かった。
いつの間にか黒い翼に囲まれていたのだ。
その言葉を遮るように口を手で抑えられ、
萩は距離を詰めてきた。
私は同期である萩がまるで知らない男のように見えて少し怖く感じた。
その瞬間、首に微かな痛みを感じた。
萩に首を噛まれたのだ。
その時首元を触ると噛み跡があり、血が少しだけ滲んでいた。
と狂気とも言えるような言葉を発しながら、
恍惚とした表情で私を見た。
私は萩を置いてその場を去っていった。
私は急いでトイレに向かった。
私は頭を抱えていた。
だがこの後、もっと頭を抱える事件が起こる。
それが家に帰った時に起こるとは私でも予想は出来ない驚くような事だということを。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!