これは全部 、
誰かの単純で純粋ないじりから始まったんだ 。
人間なんて誰かを下に見て生きているんだし 、
こんなこと知ってたよ 。
何をされたってどうでもよかった 、
なんて言ったら嘘になるけど 。
正直身体はボロボロでも
心は大丈夫って思っていたんだ 。
こうやって強がっていたのが
馬鹿だったのかもしれない 。
私が自分で自分を追い詰めてたなんて
誰も思わないじゃん 。
だってさ 、ほら 。
ここから落ちたら死ねるかなって 。
何もない透明な空からふわり 、ひらり 。
スカートを揺らすだけのつもりだった 。
だって 、本当に飛ぶなんて
私も思ってなかったんだもん 。
ただ空から街を眺めてるだけの予定だったのに 、
気づけば身体は宙を舞ってた 。
「 あ、これ本当に死んじゃうのかもな 」
脳に過った言葉はこれだけで 。
特に怖いとか 、後悔とか 、
そんなくだらないことはなんにもなかった 。
死なんて正直 、どうでもよかった 。
逆に 、死を好都合に思ってた 。
なのに 、それなのに私は __ 。
宙に手を伸ばしていたんだ 。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。