気がつくと、自分はウェディングドレスを着ていた。
え?なんで?と、思ってると、
エリ「礼のそれでいいんじゃない?」
礼「えー、やっぱりこの前のドレスにするよ。」
ああ、ドレスの試着会か。
なんなら、タキシード姿の健もいる。
健「ビックリしたぁ。礼と結婚すんのかと思った。」
あなたのニックネーム「私も幹雄と結婚するのかと思ってビックリしたよ。」
健「なくはない話だろ。」
あなたのニックネーム「うーん、まだ先だろうけどね。」
そこに着替えてきた幹雄が現れた。
幹雄「お待たせ。」
あなたのニックネーム「え……」
健「どう見ても、東南アジアのスターだろ。」
エリ「あはは!シンガポールのアイドル系?」
幹雄「そんな悪くないだろ。」
あなたのニックネーム「……私はイヤだな。」
幹雄「マジ?おかしいな…」
次は鶴が現れた。
『あははは!』
鶴「恥ずかしい……」
エリ「やっぱそれが一番似合うんじゃないの?」
鶴「……そうかな?」
幹雄「そのまま映画館に行って子供1枚って言っても絶対バレない。」
鶴「……ほんと?」
あなたのニックネーム「アレだよね、名探偵コナンにそっくり。」
鶴「真実はいつも1つ!」
『あははは!』
鶴「こらっ!」
そんなこんなで試着を終わらせて、次は礼と多田さんの新居に揃える家電を下調べに家電量販店もある大型商業施設へと向かった。
エリ「結婚するって、いろいろ大変なんだね。」
幹雄「式なんて1日しかないのにな。」
礼「付き合ってもらっちゃってごめんね。」
あなたのニックネーム「ううん。楽しいから全然平気。」
鶴「いいよ、暇だし。」
エリ「でも、6人で会うの久しぶりだよね。」
幹雄「そうか?」
礼「今年は正月ですら揃わなかったしね。」
そう、今年のお正月は仕事で幹雄が不在だった。
鶴「お前のせいだろうが。」
幹雄「地方ロケだったんだから仕方ないだろ。」
鶴「あなたのニックネームだって寂しそうだったんだからな。」
あなたのニックネーム「えー?そうだっけ?みんな居たから寂しくなったけどな〜」
エリ「強がっちゃって〜」
エリ「でも、結婚したら、こんな風に会うことも減るんだろうね。」
鶴「だな。」
礼「…………。」
冷蔵庫を見たり、掃除機を見たり、炊飯器を見たり、種類が豊富すぎて大変だけど、とても楽しかった。
エリ「やったー!ゲーセン行こう!」
その後は時間が空いたので久々にゲーセンへ。
ダンス系をやったり、レースをしたり楽しんだ後に欠かせないのがエアホッケー。
あなたのニックネーム「チーム分けしよ!」
エリ「いいよ!じゃあ、せーのっ」
『グー、チョキ、パー!』
グーを出したのが健と礼。
チョキを出したのは幹雄とあなたのニックネーム。
パーを出したのが鶴とエリだった。
礼「じゃあ次は負けた人が見る専ね」
あなたのニックネーム「OK。」
女子たちでジャンケンすることになった。
『最初はグー、じゃんけんぽん!』
あなたのニックネーム「あ…」
あなたのニックネームが負けてしまった。
幹雄「どんまい。」
あなたのニックネーム「幹雄、ごめんね。」
幹雄「いいよ、いいよ。撮影に回るからさ。」
幹雄は大学生の頃から変わらず、趣味で私たちの日常をカメラで回し続けている。
礼「ちゃんと撮ってね!」
幹雄「分かってるよ。」
あなたのニックネーム「健と礼、頑張れー!」
エリ「え、ずるーい!そっちのチームだけ応援するの?」
あなたのニックネーム「鶴とエリも頑張れー!」
鶴「当たり前だー!」
接戦を繰り広げた結果、健と礼のチームが買った。
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ゲーセンの後、あなたのニックネームと幹雄は2人きりになって少しのデートを楽しんでいた。
幹雄「なぁ、俺らもそろそろ本格的に同棲する。」
あなたのニックネーム「うーん、ほとんど同棲してるようなものだもんね。」
2人は半同棲状態を続けていた。幹雄は、仕事のある日以外は、ほとんどあなたのニックネームの家に暮らしてるようなものだった。
あなたのニックネーム「家賃勿体ないもんね。」
幹雄「そうなんだよ。」
あなたのニックネーム「でも、本格的に越してくるってなると部屋狭くない?」
幹雄「新しい家、探そうか。2LDKは必要だろ。」
あなたのニックネーム「いいねー!楽しくなってきた。」
幹雄「まずは部屋探しからかな。」
あなたのニックネーム「そうだね。」
と、歩きながら話をしていると
幹雄「あ、健と礼だ。」
テラス席に2人の姿があった。
あなたのニックネーム「楽しそうに話してるね。」
幹雄「そうだな。勝負はしてなさそうだけど。」
あなたのニックネーム「確かに。」
ここまで来ると勝負のタイミングは難しいよ。
だって、プロポーズだって断られたわけだし。
エリ「あなたのニックネームー!幹雄ー!」
鶴「おい!仲良しカップル!そこでなにしてんだよ!」
あなたのニックネーム「別に何もしてないよ。」
礼「みんなー!こっち、こっち!」
結局、健と礼の邪魔をしちゃった形になってしまった。
みんなでテラス席に座る。
エリ「ねぇ、コーヒー飲みたいなぁ。」
鶴「ほーい。」
幹雄「俺もコーヒー!」
あなたのニックネーム「私も!」
鶴「はいはい。」
礼「そういえば、この前あなたのニックネームは研修に行ってきたんでしょ?」
あなたのニックネーム「そう。店長になるための研修。」
エリ「え、そうなの?」
あなたのニックネーム「うん。あれ?エリ知らなかったっけ?」
エリ「知らなーい。」
礼「副店長になったことは?」
エリ「え、知らなーい!」
あなたのニックネーム「あれ?言わなかったっけ?ごめん。」
エリ「幹雄は?」
幹雄「俺は知っての通り地方ロケとかで忙しい感じ。」
礼「全然寝てなーいとか休んでなーいとかばっかだもんね。」
幹雄「事実なんだから仕方ないだろ。」
エリ「健は仕事どうなの?」
健「俺は普通だよ。」
エリ「つまんないのー。」
礼「鶴は今なんのバイトしてるの?」
鶴「牛乳配達。」
幹雄「エリはショーグンだけ?」
エリ「この前ファミレスの面接に行ってきた。」
礼「えー、そうなんだ。」
エリ「言ってなかったけ?」
礼「うん、知らない。」
あなたのニックネーム「私も知らない。」
幹雄「俺も初見だ。」
礼「なんかさ、お互いに知らないこと増えてきたね。」
あなたのニックネーム「高校の頃は何でも知ってたのにね。」
鶴「ハマってるお菓子とかテストの点数とか知ってたもんな。」
礼「そうだね。」
あなたのニックネーム「高校、大学ってほぼ毎日顔合わせてたもんね。」
エリ「これからもっとお互いのこと知らなくなっちゃうのかな。仕事で忙しくなったり、結婚して子供が出来たりするとさ…」
あなたのニックネーム「そうだね。」
みんな、しんみりしていると、
エリ「あ、そろそろバイトに行かなきゃ。」
礼「じゃあ私たちもだね。」
あなたのニックネーム「うん。」
鶴「えー、エリー。行っちゃうのー。」
エリ「また今日の夜、多田先生の受賞パーティーで会えるでしょ。」
礼「そうだ!3人とも、よろしくね!」
礼は男ども3人に多田先生のパーティーでウェイターを頼んでいるようだ。
幹雄「すんげぇ面倒くさいけどな。」
鶴「健も幹雄も逃げないように連れていくから!」
礼「お願いね!」
鶴「じゃあ、俺らも行くか!」
エリ「どっか行くの?」
幹雄「それだけは絶対に言えない!」
礼「どうして?」
幹雄「どうしても。」
エリ「あなたのニックネームは知ってる?」
あなたのニックネーム「ううん。知らない。」
嘘。実は知ってる。
3人で礼の家に行って、お父さんお母さんに結婚式用のビデオレターの撮影をしに行くのだ。
エリ「どうせくだらない事でしょ。」
礼「じゃあ行こうか。」
あなたのニックネーム「じゃあね。」
『バイバーイ』
と、別れた。
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あなたのニックネームは自宅に戻ってパーティーに行く準備をして、バーガーショーグンまでエリを迎えに行った。
店長「いらっしゃいませ〜」
あなたのニックネーム「やっほ〜」
店長「おお!キレイじゃねぇか!」
あなたのニックネーム「エリは?」
店長「裏で着替えてる。だから、そこで待ってろ。」
あなたのニックネーム「はーい。」
店を見渡すと、新しい雑貨がやけに増えてる。
そして、デカデカとドントノックニューヨークの看板もあった。
あなたのニックネーム「保っちゃん、これどうしたの?」
店長「おお、それ凄いだろ!我が愛すべきドントノックニューヨーク!」
あなたのニックネームは看板をまじまじとみる。
本当にドントノックニューヨークがあるとはね…
看板のトゲのような形の部分に何かあることに気づく。
あなたのニックネーム「ん?」
あなたのニックネームは近づくと、それが指輪であることが分かった。
手に取って、よーく見てみると鳥肌が立った。
指輪には“REI×KENZOU”と刻まれていた。
あなたのニックネーム「え?まさか…」
これって、健が渡したかった婚約指輪…。
あなたのニックネーム「保っちゃん!」
店長「なんだよ。」
あなたのニックネーム「エリに先に行くって伝えておいて!急用!!」
店長「はぁ!?」
あなたのニックネームはバーガーショーグンを飛び出した。
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多田先生の受賞パーティー会場にやってきた。
あなたのニックネーム「幹雄!」
幹雄「おう、来たのか。」
あなたのニックネーム「礼は?」
幹雄「今、健が礼を連れ出してる。」
あなたのニックネーム「そっか…」
幹雄「そんなに急いで、どうした?」
あなたのニックネーム「これ。」
あなたのニックネームは幹雄に指輪を見せた。
あなたのニックネーム「よーく見て、刻んでる名前。」
幹雄「これ…」
あなたのニックネーム「前回ね。実は健、プロポーズしてるんだよね。」
幹雄「マジ?」
あなたのニックネーム「でも、断られちゃったみたいで…。指輪を捨てたって言ってたの。」
幹雄「なんで、あなたのニックネームが持ってるんだよ。」
あなたのニックネーム「偶然見つけちゃった。だから、私がこれ渡そうかなって。私の想いをぶつけに来た。」
幹雄「そっか。」
「あ、幹雄くん。ちょっとこっち手伝って。」
幹雄「悪ぃ。行かなきゃ。」
あなたのニックネーム「うん。仕事頑張って。」
しばらくすると、礼が戻ってきた。
あなたのニックネーム「礼!」
礼「あ、来てたんだ。」
あなたのニックネーム「うん。……礼、ちょっといい?」
と、会場の外に連れ出した。
あなたのニックネーム「私ね、礼には本当に幸せになって欲しいんだ。本当に心から願ってる。」
礼「どうしたの急に?」
あなたのニックネーム「どうしても、これだけは伝えたくて。」
礼「なに?」
あなたのニックネーム「礼には健だと思ってた。」
礼「………。」
あなたのニックネーム「てか、今でもそう思ってる。いつからかは分からないけど、ずっと好きだったんでしょ?」
礼は困惑した表情をしている。
あなたのニックネーム「礼には後悔して欲しくない。もう後戻り出来ないかもしれないけど、けど、よーく考えてほしい。」
そして、あなたのニックネームは手に握りしめていた指輪を礼の手の中に入れた。
あなたのニックネーム「なんか変な巡り合わせで見つけちゃったんだよね。健からプロポーズされてたんでしょ?そのときの指輪かなと思って。」
礼「………。」
あなたのニックネーム「もう一度、よく考えてね。」
あなたのニックネームは会場に戻った。
あなたのニックネーム「幹雄。」
幹雄「おう、どうした?」
あなたのニックネーム「やれる事はやってきたよ。礼に気持ちぶつけてきた。」
幹雄「そっか。あとは健、次第だな。」
あなたのニックネーム「うん。」
幹雄「…お疲れ。頑張ったな。」
あなたのニックネーム「……そんな事ないよ。」
あなたのニックネームは照れ笑いをした、その瞬間。
白い光に包まれた。
なぜか現在に戻ってきた。
しかも、
鶴「お願いします!黙ってそれを私にください!」
スライドショーの前に戻ってきている。
エリ「そこまでしなくていいのに。」
鶴「エリのためだもん!」
前とは違って、付き合ってるからパターンも違う。
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「それでは、新婦の小学校時代からの
親友であり、新郎とも講師と生徒の関係でありました岩瀬健様よりメッセージをちょうだいしたいと思います。」
健のメッセージが始まる。
健「多田さん、礼さん、ご結婚おめでとうございます。礼さんとは小学校からの同級生で学生時代のほとんどを一緒に過ごしてきました。昨日、小学校時代の卒業アルバムを開いてみたら将来の夢に可愛いお嫁さんになりたいと書いてありました。小さい頃からの夢が叶ったことを友人として、とても嬉しく思います。」
健は言葉を詰まらせた。
健「…………多田さんには申し訳ないですが、礼が結婚を諦めてくれればと思ったことがあります。……礼を連れ去ってしまいたいと思ったこともあります。」
鶴「おい!酔っ払いすぎだぞっ。」
健「14年間、楽しいときも辛いときも苦しいときも、ずっと一緒に過ごしてきた礼を…………幸せに出来るのは僕しかいないと本気で思っていました。」
あなたのニックネームは目を潤ませた。
健「気に食わないことがあると不貞腐れる礼も、掃除や仕事をサボると怒る礼も、意地っ張りで全然素直じゃない礼を1番知っているのは僕です。」
礼「…………っ。」
健「自分のことは二の次で誰よりも仲間思いな礼も、ユニフォームの洗濯がバツグンに上手い礼も、ただそばにいてくれた礼を1番必要としていたのは僕でした。」
礼「…………。」
健「でも結局心の中で思ってるだけで礼の前では一度も素直になれませんでした。」
あなたのニックネーム「…………。」
健「あんなにそばにいて、いつでも言えると思ってた言葉が……結局一度も言えませんでした。たった一言が一度も言えませんでした。」
礼「……っ」
健「僕は……僕は、礼のことが好きでした。」
あなたのニックネームは涙が止まらなかった。
健「正直言うと、今でも礼のことが好きです………でも礼は今日、多田さんと結婚します。悔しいけど、結婚してしまいます。……礼の存在は僕の中ですごく大きかったから…この言葉に辿り着くまでに随分時間がかかってしまいました。……礼、結婚おめでとう。幸せになれよ。幸せにならなかったら、マジで許さないからな。」
そこで健のスピーチが終わった。
拍手喝采だった。
そして、健はそのまま会場を後にした。
幹雄「ここで勝負に出るとはな。」
あなたのニックネーム「すごいよ、健。」
その後の結婚式はというと、お色直しの後、礼は式場に戻ってくることはなかった。
どうやら、健を追いかけて行ったらしい。
そのまま結婚式は中止になって、多田さんは両親共々参列者に頭を下げることとなった。
まだ続きます!
更新をお待ちください🙇♀️










編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。