久しぶりにバレーの練習を見た。
私は前の学校で女子バレー部だった。
でも、お母さんが死んでからバレーには一切、触れていなかった。
なんとなく、バレーに関わる気にはなれなかったからだ。
烏野高校のバレーには何か惹き込まれるものを感じた。
まだまだ技は未完成。でも、今まで1度も見た事ないものばかりで終始、ワクワクが収まらなかった。
そして思った。「私もバレーがやりたい」と。
午後6時、練習が終了した。
私は1回に降りてお兄ちゃんのところに行った。
そう言って私はエンドラインに立った。お兄ちゃんもレシーブのポジションに着いた。
いつの間にか部員は全員、私たちの方を見ていた。
私はお兄ちゃんに返事をしてボールを持った。
息を細く吐き、神経を集中させる。
ボールを上げ、ジャンプし、手のひら全体でボールを押し出す。ジャンプフローターサーブだ。
初見では普通のジャンプフローターサーブと変わらない。でも、私のはちょっと違う。
ボールがゆっくり揺れながらネットを超え、少し行った時、私のサーブは、、、
ストン、と、急にボールは勢いをなくし、真下に落ちた。
私はお兄ちゃんに返事をして、ボールを持った。
細く息を吐く。神経を集中させ、今度はボールを高く上げる。今度はスパイクサーブだ。力を込めて全力で打つ。サイドラインギリギリに落ちた。
今度はアンダーハンドサーブ。普通のアンダーハンドサーブはあまり威力が出ない。でも、、、
私はボールを高く打ち上げる。
結局、ボールは天上スレスレを通り、エンドラインギリギリに落ちた。
私はお兄ちゃんのところに行った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。