第9話

第7話
496
2021/01/16 16:25
久しぶりにバレーの練習を見た。
私は前の学校で女子バレー部だった。
でも、お母さんが死んでからバレーには一切、触れていなかった。
なんとなく、バレーに関わる気にはなれなかったからだ。
烏野高校のバレーには何か惹き込まれるものを感じた。
まだまだ技は未完成。でも、今まで1度も見た事ないものばかりで終始、ワクワクが収まらなかった。
そして思った。「私もバレーがやりたい」と。

午後6時、練習が終了した。
私は1回に降りてお兄ちゃんのところに行った。
澤村大地
澤村大地
おぉ、しおり。どうだった?
澤村しおり
澤村しおり
失敗も多かったけど、見た事ないプレーばっかで面白かった!!
澤村大地
澤村大地
そうか。楽しんでくれたなら良かったよ。
澤村しおり
澤村しおり
ねぇ、お兄ちゃん。サーブ打ちたいんだけどボールとネット使っても良い?
澤村大地
澤村大地
お前、サーブ打てるのか?
澤村しおり
澤村しおり
だって私、バレー部だもん。それに中学の時、3年連続、ベストサーバー賞貰ったし、ベストリベロ賞とベストセッター賞も貰ったんだからね!!
澤村大地
澤村大地
それは凄いな。じゃあお前のサーブ、レシーブしてみても良いか?
澤村しおり
澤村しおり
良いよ。絶対に取らせないから。
そう言って私はエンドラインに立った。お兄ちゃんもレシーブのポジションに着いた。
いつの間にか部員は全員、私たちの方を見ていた。
澤村大地
澤村大地
いつでもいいぞ〜。
澤村しおり
澤村しおり
分かった。
私はお兄ちゃんに返事をしてボールを持った。
息を細く吐き、神経を集中させる。
ボールを上げ、ジャンプし、手のひら全体でボールを押し出す。ジャンプフローターサーブだ。
初見では普通のジャンプフローターサーブと変わらない。でも、私のはちょっと違う。
ボールがゆっくり揺れながらネットを超え、少し行った時、私のサーブは、、、
澤村しおり
澤村しおり
落ちる。
ストン、と、急にボールは勢いをなくし、真下に落ちた。
澤村大地
澤村大地
しおり、もう一本!!
澤村しおり
澤村しおり
分かった。
私はお兄ちゃんに返事をして、ボールを持った。
細く息を吐く。神経を集中させ、今度はボールを高く上げる。今度はスパイクサーブだ。力を込めて全力で打つ。サイドラインギリギリに落ちた。
澤村大地
澤村大地
もう一本!!
澤村しおり
澤村しおり
分かった。
今度はアンダーハンドサーブ。普通のアンダーハンドサーブはあまり威力が出ない。でも、、、
私はボールを高く打ち上げる。
澤村しおり
澤村しおり
天上サーブなら例外。
結局、ボールは天上スレスレを通り、エンドラインギリギリに落ちた。
私はお兄ちゃんのところに行った。

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