第2話

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2024/01/31 09:05 更新


壬氏様
またやっているな…

また、とは。


梨花妃と玉葉妃の御子の1件のことだ。

一方は持ち直し、もう一方はその逆である。


それが原因で2人の妃の間で争いが起きかけていた。
あなた
えぇ…自分の子を失ったのです。冷静にいられる訳もないでしょう。
あなた
東宮ともなれば…(相当辛いのだろうな)


そこに1人。我関せず、といった風な下女がひとり。


猫猫
なにか書き物があれば…


そんな『ひとりごと』を壬氏と凜霞は聞き逃さなかった。


一方この下女は、
通りすがった宦官の顔を見ることはなかった。


玉葉妃
なにか聞きたいことがあるようですが
壬氏様
…なぜ公主殿は持ち直されたのですか?
壬氏は単刀直入に問うた。


すると玉葉妃は『おしろいはどく 赤子にふれさすな』と書かれた布を差し出した。
あなた
おしろい…?
玉葉妃
えぇ。乳母が使っていたのです。
玉葉妃
赤子の口に入るものにはもっと
気をつけるべきでした
玉葉妃
「無知は罪」とは…このことなのでしょうね
あなた
一体誰がこの布を……
玉葉妃
あの日、窓辺に石楠花の花に結んで置いてあるのを見つけたのです。
壬氏様
宮中の医師ではなさそうですね…最後まで処置が分からないようでしたので。
あなた
だとすれば、誰が……


その時、ふとあの下女のことを思い出した。


どうやら壬氏も同じことを思ったらしい。

あの下女はなんと言っていただろうか。


『なにか書き物はないか』
壬氏様
玉葉妃、この文の主を見つけたら、どうなさいますか?
玉葉妃
それはもう、恩人ですもの。
お礼をしなければね。
壬氏様
ではこちらの布はしばらく預からせていただいても?
玉葉妃
もちろん。朗報を期待します。
あなた
ふふ…寵妃の願いとあらば、必ず見つけなければなりませんね。


その兄弟は、どこか無邪気さを感じさせる笑みを浮かべて頷いた。

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