また、とは。
梨花妃と玉葉妃の御子の1件のことだ。
一方は持ち直し、もう一方はその逆である。
それが原因で2人の妃の間で争いが起きかけていた。
そこに1人。我関せず、といった風な下女がひとり。
そんな『ひとりごと』を壬氏と凜霞は聞き逃さなかった。
一方この下女は、
通りすがった宦官の顔を見ることはなかった。
壬氏は単刀直入に問うた。
すると玉葉妃は『おしろいはどく 赤子にふれさすな』と書かれた布を差し出した。
その時、ふとあの下女のことを思い出した。
どうやら壬氏も同じことを思ったらしい。
あの下女はなんと言っていただろうか。
『なにか書き物はないか』
その兄弟は、どこか無邪気さを感じさせる笑みを浮かべて頷いた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!