第42話

嘘つき少年の過去
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2026/03/04 09:36 更新
___メテヲside












メテヲは裕福な家庭で生まれた
両親は科学者で能力を持つ世界でも有名な人だった





両親が持つなら子のメテヲも勿論持っていた
それは"物質を司る"能力だった



その能力はあまりにも便利すぎたのだ
そう、メテヲはまさに両親にとって都合の良すぎる道具だった





メテヲ
メテヲ

そのせいでメテヲは常に実験室で勉強を強いられた
メテヲ
メテヲ
…何してんだろ、メテヲは

ずっとここから出られない為、外を見ることも誰かと会話することも実験以外何もすることが出来なかった



そんなメテヲにも転機が訪れた
小学生となり、学校に行くことになったのだ



メテヲ
メテヲ
!!

小学校にたどり着いた瞬間、感動を覚えた

見たことのない景色、自分が今外にいるという事実、何もかもがメテヲを感動させた






the・モブ
メテヲ、悪いが親から___
メテヲ
メテヲ


先生から話された内容は教室にいても勉強することはない、だから実験を学校でやらせてもらえということだそうだ


メテヲ
メテヲ
何で学校で、なんですか?
the・モブ
家では違う実験をするから、だそうだ
メテヲ
メテヲ

そんなこと言っているがどうせ嘘だろう

親たちは一体何を考えているのだろうか…そんなことメテヲには関係ないか


メテヲ
メテヲ
わかりました
the・モブ
理科室の隣の部屋が空いているからそこを使ってくれ
メテヲ
メテヲ
はい


まぁ、外に出れるならいいや




そんなある日のことだった






?????
the・モブ
早く行けよ〜!
the・モブ
お前だって好きなんだろ?


普段人が来るわけないのに何故か扉の外から声がした
絶対ロクでもないことだろうけど



メテヲ
メテヲ
何してるの?
the・モブ
 あ、やばっ
the・モブ
コイツがメテヲ君と仲良くしたいんだって〜!
the・モブ
そ、そうそう!
?????

コイツらは馬鹿なのだろうか?さっきの会話が聞こえてないとでも思っているのか?


メテヲ
メテヲ
そうなんだ
the・モブ
じゃ、俺らはそういうことで〜

そう言い、アイツらはそそくさと帰っていった



?????
っ…
メテヲ
メテヲ
アイツらのこと全然知らないけど君が嫌ならハッキリ言えば?
?????
ご、ごめんなさい
メテヲ
メテヲ

明らかに様子がおかしい。こんなに怖気づくことなんてあるのだろうか?このまま帰しても変わらないだろうし…


メテヲ
メテヲ
…話、聞くから中入る?
?????
?????
あ、うん…!









?????
わっ、す、すごい…!!

…この子、本当に___




メテヲ
メテヲ
?????
あ、ごめんなさい!勝手に見て…
メテヲ
メテヲ
いや、別にいいよ
メテヲ
メテヲ
君は何でここに来たの?
?????
あの人たちに言われて…
メテヲ
メテヲ
言われて来るもんなの?
?????
ごめんなさい…
メテヲ
メテヲ
まぁいいけどさ
 
メテヲ
メテヲ
君、名前は?
?????
あ、えっと…
イエモン
イエモン
イエモンです
メテヲ
メテヲ
イエモン、ね
イエモン
イエモン

さっきから黙ってばっかだなぁ…まぁメテヲの話しかけ方がダメなんだろうけど


メテヲ
メテヲ
君がどうするかは知らないけどメテヲは実験するから
メテヲ
メテヲ
実験の邪魔はしないでよね
イエモン
イエモン
あ、はい!

…なんかすごい嬉しそうなんだけど。まぁメテヲはいつも通り実験すればいっか






(実験中)







イエモン
イエモン


イエモン、だっけ?この子すごい興味深そうに見てるな…
やっぱメテヲの予想は合ってるのかも


メテヲ
メテヲ
ねぇ、君
イエモン
イエモン
は、はい!
メテヲ
メテヲ
君がここに来たのって実験が好きだから?
イエモン
イエモン
え、何でわかったんですか!?

本当にそうなんだ…

メテヲ
メテヲ
反応的にわかりやすすぎる
イエモン
イエモン
そ、そうなんですか…
メテヲ
メテヲ
あと敬語で話されると話しにくいからやめて
イエモン
イエモン
あ、はい!
メテヲ
メテヲ
いや敬語で話してんじゃんw
イエモン
イエモン
え、あ、ほんとだ!?

なんか、この子…面白いな



メテヲ
メテヲ
君も実験してみる?
イエモン
イエモン
う、うん!やってみたい
メテヲ
メテヲ
わかった、じゃあまず用意して
イエモン
イエモン
わかった



そこから何故かとても楽しかった

一人でやっていた時も楽しくはあったはずなのに何故かもっと楽しかったのだ




メテヲ
メテヲ
あ、イエ
イエモン
イエモン
おはよう
メテヲ
メテヲ
ん、おはよ

短い会話に感じるかもしれないがこれがメテヲたちの普通だった。むしろこのぐらいの会話が心地よく感じる


イエモン
イエモン
げっ、またノートに水かかってるじゃん!?
メテヲ
メテヲ
そこに置いてあるのが悪い!!
イエモン
イエモン
いやちゃんと机の上に置いたじゃん!
イエモン
イエモン
逆にどうやってかけたんだよ!?
メテヲ
メテヲ
爆破して飛び散ってなった
イエモン
イエモン
なにそれ!?俺も見たかった…

イエはいつの間にか助手みたいな存在になっていた
そしてメテヲにとって絶対に欠かせない存在になっていた






メテヲ
メテヲ
そういえばアイツらはどうしたの?
イエモン
イエモン
わかんないけど何も言ってこないよ
メテヲ
メテヲ
そうなんだ
イエモン
イエモン
…メテヲは噂とか知らないの?
メテヲ
メテヲ
え、全然知らない
イエモン
イエモン
…そっか

めちゃくちゃ含みのある言い方してるなぁ…多分メテヲの噂についてだろうな…まぁ正直どうでもいいけど

メテヲ
メテヲ
あ、やべっ
イエモン
イエモン
ちょっバカ!?

ボンッ

メテヲ
メテヲ
あー、良かった最小限で終わった
イエモン
イエモン
俺のじゃ○りこがぁぁぁ!?

爆発のせいでイエのじゃ○りこが焦げてしまっていた…いや何でそもそも持って来てるんだって話だけど

メテヲ
メテヲ
何で菓子を持ってきたんだ…
イエモン
イエモン
だって美味いもん
メテヲ
メテヲ
そんなに?
イエモン
イエモン
うん、食べる?
メテヲ
メテヲ
食べる

じゃ○りこにのことが好きになったのも今思えばイエのお陰だったなそこからどハマりしたし





幸せな日はそう長くは続かなかった







メテヲ
メテヲ
っは?

メテヲが朝起きると全く知らない所にいた
装置がついた椅子に座らされており、身動きができない


メテヲ
メテヲ
なんだよ、ここっ

あぁ、やっと起きたか
メテヲ
メテヲ
!!

コイツら…ロクな顔も合わせたことなかった癖にっ…

メテヲ
メテヲ
何するつもりなの?
そりゃ実験だ
メテヲ
メテヲ
子をこんな実験に使う親なんている?
子だからこそ親の実験の成功を祈るのよ!

やっぱコイツらは頭がおかしい
普通、子を実験に使うとかあり得ないだろ

あなた、用意できたわ
わかった、成功を祈っておけよ

メテヲ
メテヲ

…これ、死ぬのかな?
それとも原型もない状態で生き残るとか?



…まぁ、メテヲには何も出来ないしどうでもいいけど




メテヲ
メテヲ
っう゛!?

あー…これかなり痛いわ。これ、メテヲ死ぬんじゃね?









メテヲ
メテヲ
っ!はあっ、はあっ…いった…

めちゃくちゃ痛いんだけど…しかも生きてるし


メテヲ
メテヲ
…っ

何故か背中に違和感がある



成功したな
えぇ成功ね
メテヲ
メテヲ
…何、したの
背中に違和感があるだろう?ほら、鏡をやるよ
メテヲ
メテヲ
!!

鏡に映ったメテヲの背中には真っ黒な羽…いわゆる悪魔の羽が生えていた

メテヲ
メテヲ
…こんなことしてどうするつもりなの?

これで俺たちが求めている"最強"が出来るんだ
えぇ、決してバレないようにしてね。あなた
勿論だよ
 
メテヲ
メテヲ
そんなのメテヲが言ったら終わりだよ?
さぁそれはどうかな?
お前の信用と俺たちの信用じゃ天と地の差だ
メテヲ
メテヲ
それにバレたらお前の場所はないだろうしな
もし言うならよーく考えて行動するんだな




親はそう言い残して出て行った
親が言ったことは確かにその通りだった


…メテヲは何も出来ないまま自室に戻ってしばらく引きこもってしまった






メテヲ
メテヲ


メテヲは結局親のことは言えなかった
自分の親のことを知ったら皆は失望する、どう考えても


メテヲ
メテヲ
…まぁ、メテヲには友達なんていないけどさ



嘘だ、イエのことばかり考えてしまう








嫌われるだろう、軽蔑されるだろう、一緒に実験もできなくなって会うこともできなくなるんだろう


そんなことばかり考えると親のことは何も言えなかった








メテヲ
メテヲ
…おはよ
イエモン
イエモン
ん、おはよ

メテヲ
メテヲ
イエモン
イエモン
…最近様子おかしいよ

バレてたのか…やっぱり


メテヲ
メテヲ
親が喧嘩してるから将来が不安なだけだよ

適当な嘘を並べて話す
だってバレたらイエはメテヲのことを嫌うでしょ


イエモン
イエモン
そっか、俺からは何も言えないけど…
イエモン
イエモン
俺は何があってもメテヲの味方だから
メテヲ
メテヲ
!!

っ…何でそんなことを言うんだ













それが、それがっ… 今のメテヲにとって一番辛いんだ



メテヲ
メテヲ
…ありがと

喉まで出てきそうになった言葉を飲み込んでそう返した




まぁ、でも隠し続けることは絶対にできない
いくら世界的な科学者で頭が良くてもバレるものだ



 






メテヲ
メテヲ


ある日、警察が家に入り込んで来て両親を逮捕した



両親はメテヲが人体実験について知っていると告げ口したようだがメテヲは被害者でもある為、施設に行くだけで済んだ






ここからも地獄だった





メテヲ
メテヲ

学校では普通の生徒として授業を受けなければならなかった



メテヲ
メテヲ



the・モブ
ねぇ、アイツってさ…
the・モブ
知ってるよ!ニュースになってたもん!
the・モブ
なんで学校に来るんだよ…
the・モブ
しかも知ってて隠してたんでしょ?
the・モブ
えっ、サイテーじゃん!
 
犯罪者の子供、更に言うと世界的科学者の両親で文句を言えなかった奴らは急に陰口を叩き、集団無視をした




メテヲ
メテヲ

でも正直どうでもよかった
そんなことよりイエと話したかった、弁明をしたかった








イエなら…信じてくれるんじゃないかと思ったんだ










メテヲ
メテヲ

かといってメテヲはイエのクラスを知らなかった

メテヲ
メテヲ
どこ行けばいいんだろ


the・モブ
_w
the・モブ
___!w

話し声…というか嘲笑うような声が聞こえた

メテヲ
メテヲ
…?

少し気になり、こっそり教室を覗いた



the・モブ
てかお前、犯罪者とまだ友達なの?w
イエモン
イエモン
っ、でも…
the・モブ
え、それでも庇えるんだ〜
イエモン
イエモン
the・モブ
前まで言うこと聞いてた癖に生意気になったよな
the・モブ
そうそう!あの犯罪者と関わってからさ
イエモン
イエモン
っ…



メテヲ
メテヲ











メテヲ
メテヲ
…イエ
アイツらが帰ったのを確認してから声をかける

イエモン
イエモン
!!
 
イエモン
イエモン
ねぇっ、なんでメテヲは黙ってたの…?
イエモン
イエモン
その実験のせいで苦しむ人がいるって分かるはずなのに…
メテヲ
メテヲ

メテヲはイエに嫌われなければならない
じゃないとイエはずっと一人で周りから貶される



メテヲのせいでそんなことになるなんて、絶対にダメだ



メテヲ
メテヲ
わかってて言わなかったよ
イエモン
イエモン
え…?
メテヲ
メテヲ
苦しむだろうなって
イエモン
イエモン
何言ってんだよ!?
 
メテヲ
メテヲ
悪いけどメテヲはそう思って黙ってたよ
イエモン
イエモン
っ…最低だよ…!!




メテヲ
メテヲ
そう思うならメテヲと関わらなければ?
メテヲ
メテヲ
メテヲはイエのこと、友達だなんて思ってなかったよ
イエモン
イエモン
っ…!!

イエモン
イエモン
俺だってっ…
イエモン
イエモン
メテヲのことなんか大嫌いだ…!


ダッ






メテヲ
メテヲ

多分、これで良かった
これで完全に嫌われたし、もう…関わることもない

















メテヲ
メテヲ
っ…あれ…?
これで良かったんだ













メテヲ
メテヲ
なんでっ…

だってこれでイエは…















メテヲ
メテヲ
泣いてるんだっ…?

幸せになれるんだから













能力:物質を司る

司れる物質の量は決まっており、それを超えるとその際に司っていた物質は消失してしまう























   「これで…これで良かったんでしょ…?」



















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