___メテヲside
メテヲは裕福な家庭で生まれた
両親は科学者で能力を持つ世界でも有名な人だった
両親が持つなら子のメテヲも勿論持っていた
それは"物質を司る"能力だった
その能力はあまりにも便利すぎたのだ
そう、メテヲはまさに両親にとって都合の良すぎる道具だった
そのせいでメテヲは常に実験室で勉強を強いられた
ずっとここから出られない為、外を見ることも誰かと会話することも実験以外何もすることが出来なかった
そんなメテヲにも転機が訪れた
小学生となり、学校に行くことになったのだ
小学校にたどり着いた瞬間、感動を覚えた
見たことのない景色、自分が今外にいるという事実、何もかもがメテヲを感動させた
先生から話された内容は教室にいても勉強することはない、だから実験を学校でやらせてもらえということだそうだ
そんなこと言っているがどうせ嘘だろう
親たちは一体何を考えているのだろうか…そんなことメテヲには関係ないか
まぁ、外に出れるならいいや
そんなある日のことだった
普段人が来るわけないのに何故か扉の外から声がした
絶対ロクでもないことだろうけど
コイツらは馬鹿なのだろうか?さっきの会話が聞こえてないとでも思っているのか?
そう言い、アイツらはそそくさと帰っていった
明らかに様子がおかしい。こんなに怖気づくことなんてあるのだろうか?このまま帰しても変わらないだろうし…
…この子、本当に___
さっきから黙ってばっかだなぁ…まぁメテヲの話しかけ方がダメなんだろうけど
…なんかすごい嬉しそうなんだけど。まぁメテヲはいつも通り実験すればいっか
(実験中)
イエモン、だっけ?この子すごい興味深そうに見てるな…
やっぱメテヲの予想は合ってるのかも
本当にそうなんだ…
なんか、この子…面白いな
そこから何故かとても楽しかった
一人でやっていた時も楽しくはあったはずなのに何故かもっと楽しかったのだ
短い会話に感じるかもしれないがこれがメテヲたちの普通だった。むしろこのぐらいの会話が心地よく感じる
イエはいつの間にか助手みたいな存在になっていた
そしてメテヲにとって絶対に欠かせない存在になっていた
めちゃくちゃ含みのある言い方してるなぁ…多分メテヲの噂についてだろうな…まぁ正直どうでもいいけど
ボンッ
爆発のせいでイエのじゃ○りこが焦げてしまっていた…いや何でそもそも持って来てるんだって話だけど
じゃ○りこにのことが好きになったのも今思えばイエのお陰だったなそこからどハマりしたし
幸せな日はそう長くは続かなかった
メテヲが朝起きると全く知らない所にいた
装置がついた椅子に座らされており、身動きができない
コイツら…ロクな顔も合わせたことなかった癖にっ…
やっぱコイツらは頭がおかしい
普通、子を実験に使うとかあり得ないだろ
…これ、死ぬのかな?
それとも原型もない状態で生き残るとか?
…まぁ、メテヲには何も出来ないしどうでもいいけど
あー…これかなり痛いわ。これ、メテヲ死ぬんじゃね?
めちゃくちゃ痛いんだけど…しかも生きてるし
何故か背中に違和感がある
鏡に映ったメテヲの背中には真っ黒な羽…いわゆる悪魔の羽が生えていた
親はそう言い残して出て行った
親が言ったことは確かにその通りだった
…メテヲは何も出来ないまま自室に戻ってしばらく引きこもってしまった
メテヲは結局親のことは言えなかった
自分の親のことを知ったら皆は失望する、どう考えても
嘘だ、イエのことばかり考えてしまう
嫌われるだろう、軽蔑されるだろう、一緒に実験もできなくなって会うこともできなくなるんだろう
そんなことばかり考えると親のことは何も言えなかった
バレてたのか…やっぱり
適当な嘘を並べて話す
だってバレたらイエはメテヲのことを嫌うでしょ
っ…何でそんなことを言うんだ
それが、それがっ… 今のメテヲにとって一番辛いんだ
喉まで出てきそうになった言葉を飲み込んでそう返した
まぁ、でも隠し続けることは絶対にできない
いくら世界的な科学者で頭が良くてもバレるものだ
ある日、警察が家に入り込んで来て両親を逮捕した
両親はメテヲが人体実験について知っていると告げ口したようだがメテヲは被害者でもある為、施設に行くだけで済んだ
ここからも地獄だった
学校では普通の生徒として授業を受けなければならなかった
犯罪者の子供、更に言うと世界的科学者の両親で文句を言えなかった奴らは急に陰口を叩き、集団無視をした
でも正直どうでもよかった
そんなことよりイエと話したかった、弁明をしたかった
イエなら…信じてくれるんじゃないかと思ったんだ
かといってメテヲはイエのクラスを知らなかった
話し声…というか嘲笑うような声が聞こえた
少し気になり、こっそり教室を覗いた
アイツらが帰ったのを確認してから声をかける
メテヲはイエに嫌われなければならない
じゃないとイエはずっと一人で周りから貶される
メテヲのせいでそんなことになるなんて、絶対にダメだ
…
ダッ
多分、これで良かった
これで完全に嫌われたし、もう…関わることもない
これで良かったんだ
だってこれでイエは…
幸せになれるんだから
能力:物質を司る
司れる物質の量は決まっており、それを超えるとその際に司っていた物質は消失してしまう
「これで…これで良かったんでしょ…?」




















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。