🐺side
起きた瞬間、全身がびっくりするくらい軽かった。
もしかしたら、空でも飛べる?ってくらい。
だけど、それよりも僕を幸せな気持ちにさせたのは、腕の中で眠ってるあなたさんだった。
……ああ、夢じゃなかった
薄暗い作業室の中、ソファで僕の胸に顔を埋めたまま眠っているあなたさん。
カーテンの隙間から差し込む光が、彼女の横顔を照らしている。
僕が小さく声をかけると、長い睫毛が微かに揺れた。
ゆっくりと開かれた目で僕を見て、ふわりと力なく、優しく微笑んでくれた。
…うん、可愛い
僕はたまらず、強く抱きしめた。
今度こそ、離れていかないようにね。
僕はあなたさんの額に何度も何度もキスをした。
彼女の肌は、前より少し冷たくなった気がしたけれど、僕が抱きしめたら、温かくなるよね。
一生離したくないな。
抱きしめてると、僕の中に不思議な力が流れ込んでくる気がするんだ。
今の僕なら、なんでもできる気がする。
僕はあなたさんの細い指を、僕の大きな手で包み込んだ。
あなたさんは何も言わず、ただ僕の胸に耳を当てて、僕の心臓の音を確認するようにじっとしている。
あなたさんは、少し驚いたみたいに目を見開いて
それから顔を赤らめて、また僕の胸に顔をぴったりくっつけた。
あなたさんが甘えるように僕のシャツをぎゅっと掴む。
その可愛らしい仕草に、僕はただ舞い上がり、あなたさんをさらに深く、深く、腕の中へ閉じ込めた。















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。