畳み掛けるように質問をされて私は目線を逸らす。
どう答えようとか、何を思われようがどうでも良くなってきた。
元々は私という存在しない人がいる時点でおかしな事になったんだし。
殺されようが、何されようがもういいや。
自暴自棄になって私は嫌味っぽく言った。
ちら、と七海さんを見ると確かに疑っている感じはしなかった。
まぁ、私の突拍子もない話も信じてくれたくらいだしなぁ。
私は前に七海さんにだけ私の素性、違う世界から来たみたいなことを打ち明けたことを思い出す。
流石にその話は想定していなかったのかいつも冷静な表情をしている七海さんが驚いたような表情をした。
七海さんは考え込むように顎に手を添えた。
ごめんね、と全然思ってなさそうな態度で謝っていた。
その様子を見て七海さんはため息を吐く。
チラリと私に目線を向けた。
指摘されるとは思ってなくて目を見開く。
私はそう言いながらポケットから真人から渡されたメモを取り出し、机の上に置く。
2人はそのメモを覗き込んだ。
二人の声が綺麗にハモる。
語尾がだいぶ違ったけど。
嘘はついていない。
五条先生は呆れたようにはぁ、と息を吐いた。
私はちらっと七海さんを見た。
七海さんは首を振った。
まだ話してないんだ…
てっきりすぐに五条先生に話すものだと思っていたから驚いた。
七海さんってめちゃくちゃ誠実な人だな…
私は五条先生に七海さんに話したことと同じことを話す。
違う世界で死にかけてこっちに来たこと。
もちろん呪術廻戦のと言う漫画のことは触れずに。
話し終えると五条先生はポカン、としていた。
私の言葉に七海さんがふむ、と呟く。
やや不満げに声を漏らし、こちらを見つめる。
五条先生がアイマスクしてて助かった…
きっとアイマスクの下はとんでもなくジトーとした目になっていそうだけれど。
本当は夏油が来るんだろうけれど流石に秘密にさせてほしい。
本編ではどうだったかいまいち覚えていないが、おそらくまだこの時点で夏油という存在は知られていないはずだ。
本編を大きく変える可能性は避けたい。
嘘はついてない。
誰が私に会いに来るとは言われてないし。
…まぁ、夏油が真人に、私に渡しとけって言った時点で確定演出だろうけど。
五条先生はにっこりと笑った。
それはもうにっこりと。
わざとらしく。
…嫌な予感がする。
七海さんはやれやれ、とでもいうふうに額に手を当てて深く息を吐いていた。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。