華の高校生。紺のブレザーの制服。
なんだか今日はそわそわと落ち着かない。
いや、今日も...が、正しいかも。
彼と隣の席になってからずっと.....
朝の賑やかな教室に続々と登校してくるクラスメイト達。いつも彼は遅刻ギリギリにやってくる。
隣の席の【平子真子】くん。
彼は金髪だけど染めたんじゃなくて地毛らしい。
おかっぱの髪がさらさらと揺れて、まるで絵本の王子様みたいだ。口調は関西弁なんだけれど。
私がそう言うと彼はほっと息を吐いて椅子に腰かけた。走ってきたのか少し汗をかいているようだ。引き出しから下敷きを取り出してパタパタと煽いでいる。
準備をしようと彼は引き出しをあさっている。しかし教科書を見つけられないのか、どんどん焦った顔になっていた。
隣の席になってから、彼がよく忘れ物をしてしまうタイプだと知った。時にはシャーペンだったり消しゴムだったり、1番多いのは教科書なんだけど。
頼む!と彼は手を合わせてこちらを伺っている。
毎回の事だからさすがに私も慣れてきた。それに、机を合わせて授業を受ける時間が実は好きだったりする。彼の整った顔をすぐ近くで拝めるし、いつもなんだか良い香りがするし...ひそひそ話す声も好き。
.....ちょっと変態チックだろうか?
授業中。平子くんと机をくっつけている。
先生の話を聞いていると、平子くんが膝で私の腕をつついてきた。なるべく小さな声で話しかける。
指さしているのは彼のノート。覗き込んでみるとそこには可愛らしい白黒の猫の絵が描かれていた。
確かにノートに描かれた猫の柄は七三分けだ。そのまんまの名前に思わず吹き出した。
平子くんは笑った私を頬杖をつきながらじっと見つめてくる。なんだろう?なにかついてるのかな?
周りに聞こえないように、彼は私の耳元に口を寄せてそう言った。とても驚いた、きっと顔が赤くなってると思う。でも...それ以上に嬉しい。
ううん、違う。笑顔だけじゃない。そう思うと溢れた感情が止められなかった。
いつの間にか教室じゃなくなってて、周りの景色は綺麗な花畑に変わっていた。その美しい花々の中で私達は抱きしめあった。
目が覚めると目の前には抱き枕。
どうやらコレを抱きしめて寝ていたみたい。
全部は覚えてないけれど、とても幸せな夢を見ていた気がする...













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。