今まで感じたことのない...人生で1番酷い痛みを感じた。
井上と呼ばれていた少女の悲しそうな表情を見たと思ったら...視界は黒に染まっていた。心配しないで、あなたのせいじゃないよ。そう言いたいのに口は開かなかった。
破面の襲撃から2日ほど経った頃。
死んだように眠っていたあなたがもぞもぞと動きだし、そして瞼をあけた。
ぼんやりとした様子で浦原を見つめながら、あなたはゆっくりと上体を起こす。
目をぱちぱちを瞬かせ寝ぼけた顔のあなたを、浦原は優しく抱きしめた。そうして、これは夢じゃないと意識がハッキリしてきたあなたは浦原の袖を引っ張った。
意識を失う直前にいた、井上と呼ばれた女の子や黒崎と呼ばれた男の子と倒れていた大柄な男の子。あの後何が起きたか知らないあなたは心配で慌てて浦原に問いかけた。
この状況を。あなたを抱きしめているという状況をなんとも思っていないのか...男と意識されてないのでは?となんだか浦原は少し複雑な想いだ。
それはそれとして。
死にかけるほどの危険な目にあったというのに。
ガラリと扉を開け放って現れた、謎の褐色美女の登場にあなたはとても驚いた。
テッサイ、雨、ジン太とは顔を合わせたことがあったが。こんな美女とは会ったことはない。まさか浦原の恋人...!?と、いろんな想像があなたの脳内を駆け巡る。
美女はぐりぐりとあなたの頭を撫でまわす。わりと強めに撫でられているあなたはぐわんぐわんと目を回している。
夜一はあなたの頭から手を離し、ズイっと顔を近づけた。その瞳は猫の夜一にそっくりで金色のような黄色い瞳だった。
呼ばれた夜一は嬉しそうに笑みを浮かべる。
どれどれ、と夜一はまたあなたを撫でまわす。今度は優しい手つきだったのであなたは美女に撫でられるという事実になんだか照れてしまう。あわあわとしているところに浦原のストップが入った。
意外にもあっさりとあなたから離れた夜一は浦原の横へどかりと腰を下ろした。
ぐぅ〜〜〜












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!