私は麦茶をコップに注ぎ、それを部屋に持って行く。
そっとドアを開けると、及川くんは机に道具を置いてスマホを触っていた。
あなた『及川くん』
及川「っはひっ!」
どうやら私が入ってきた事に気づかなかったようで少しびっくりしていた。
あなた『勉強しに来たんじゃなかったの?』
及川「は、ははい…」
あなた『勉強教えてあげないよ』
及川「そ、それだけは〜…」
あなた『じゃあやるよ』
あなた『そうしないと練習出来ないもんね』
及川「ありがと〜うあなたちゃん」
及川「おーそういう事か〜」
及川「やっぱりあなたちゃんは教えるのが上手だね」
あなた『そうかな…?』
及川「って、もうこんな時間!」
及川「そろそろ帰らなきゃ」
あなた『見送るね』
そして部屋から及川くんが先に出て、その後に私が出た。
私は階段を降りようとした。
すると私は足を踏み外し、前へ倒れてしまった。
及川「あなたちゃん!」
そのまま及川くんを押し倒してしまい、、、
あなた『ご、ごめん!///』
及川「良かったー、怪我はない?///」
あなた『うん///』
そして、及川くんが立ち上がろうとすると…
及川「痛っ」
どうやら、私を庇った時に足を捻ってしまったようだ。
あなた『お、及川くん!ごめん…私のせいで…』
あなた『とりあえず、手当を…』
及川「うん…」
とりあえず応急処置はしたが、歩くのも辛いと思うので斗真が送って行くらしい。
でも、大事な選手であり、主将である及川くんを怪我させてしまった…
及川「あなたちゃん、そんなに落ち込まないで…」
及川「俺は大事な女の子に怪我が無かっただけ良かったと思ってるから」
大事な女の子か…///
及川「わわわ〜///ご、ごめん!なんかカッコつけたこと言っちゃった///」
あなた『とりあえず、遅くなると親御さんが心配するよ!』
及川「そうだね。じゃあそろそろ帰るよ」
及川「お邪魔しましたー」
あなた『また来てねー』
及川くんは斗真の肩を借りて家に帰って行った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。