︎︎バーで働いていて良かったことと言えば
︎︎さんひょぎひょんから会いに来てくれること
︎︎それくらいしか無かった
︎︎いつも自分から会いに行っていたこの関係が
︎︎少しだけ進展した気がして
柄にもなくはしゃいだりした
でも ,
︎︎さんひょぎひょんにとって
︎︎それは夜を盛り上げるためだけの材料
︎︎だってひょんは ,
︎︎俺に見せつけるようにどんひょんを呼んだり
︎︎バーで出会った初対面の男に
︎︎腰を抱かれて出て行ったり
︎︎… 数え切れないけれど
︎︎そんなことをする度に傷つく俺を見て
︎︎口角を上げていた
︎︎今日は久しぶりに俺の誘いに乗ってくれたひょんが
︎︎うちに来て , 夜は映画
︎︎その後は朝まで楽しむつもりだった
︎それなのに
︎︎「 どんひょんも呼んで , 3人でする ? 」
︎︎だなんて 。
︎︎俺がどんひょんに対して抱いている気持ちを
知っているくせして
︎︎素知らぬ顔で言ってきたことに
︎︎すごく腹が立った
︎︎それに嫉妬だなんて ,
︎︎そんな可愛げのある言葉じゃ足りないくらい
︎︎俺の頭や心はぐちゃぐちゃだった
︎︎いつものような笑顔でそう言うひょん
︎︎頭では分かってる
︎︎ひょんはこの状況を楽しんでいるって 。
︎︎俺をイラつかせて手酷く抱かれることで
︎︎
︎︎自分の欲を満たそうとしてるんだって 。
︎︎分かってはいるのに , どうしても辞められない
こんな関係でも続けてさえいれば
︎︎いつか俺のものになってくれるんじゃないか
︎︎そう思ってしまうから
︎︎︎︎︎︎︎︎︎︎︎︎︎︎︎︎︎︎︎︎︎︎︎︎︎︎" いつかは 俺のものに "
︎︎︎︎… なんて
︎︎そんなはず , ないのにな 。
















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。