黒尾「 お疲れ様でしたーーー!! 」
「「「「 おつかれっしたーー!! 」」」」
いきなりだったし、経験者ではないということもあり、今日は灰羽くんは見学していた。
ちなみに1年生の犬岡くん、芝山くん、手白くんは3日ほど前に入部してくれた。
3人ともどうやら経験者のようで、練習にもすぐ馴染んでいた。
お疲れ様でした 片付け手伝います と元気な声が響く。
この声もまだ聞き始めて間もないのに、違和感がない。練習以外でも馴染むのが早いようだ。
元気で優しいなぁ と1年生入部3日目にしてしみじみ。
__そして、もう1人の1年生が視界の端で、俄然興味を示したように目を輝かせていた。
灰羽「 ……! 」
「 灰羽くん…?どうしたの? 」
灰羽「 俺、なんかいろいろできる部活入りたくて、どうしようかなってあなたセンパイに着いてきただけだったんスけど… 」
「 バレーやってるとこ見て、ワクワクしました!俺もあんな感じにスパイク?とかカッコよく打ちたいです!! 」
俺決めました!バレー部入ります! と意気込む灰羽くん。
灰羽「 善は急げ、ですよねあなたさん!…よし、黒尾さーん! 」
慌てたように主将の方へ走っていく。
ちょうど監督とコーチと話していたようで、 よろしくお願いします と勢いよく頭を下げていた。
それを見て、近くにいた研磨くんが少し顔を歪める。
灰羽くんに続いて、他の1年生も帰って行く。
今は本来仮入部期間なので、入部している子達も早めに帰らなくてはいけない。
じゃあお疲れ来週までは早く帰れよー 灰羽は明日ちゃんと入部届け持ってきてな と言いながらこちらへ来る鉄朗くん。
黒尾「 よし、俺らも鍵締めしたら帰るぞー 」
.
夜久「 研磨、さっきから顔に出すぎな 」
海「 はは、灰羽元気だもんな 」
孤爪「 まぁ別に 良い人っぽいし嫌いじゃない、けど元気すぎてちょっと苦手かもこれから疲れそう 」
「 ふふ、研磨くんっぽいね 」
黒尾「 な、研磨って感じだな 」
山本「 研磨よ…これから頑張ろうな! 」
孤爪「 熱い……そういうのやめて 」
いつも通りの2人の差に、みんなで笑いをもらす。
これにあの1年生達が加わったら更に賑やかになるんだろうな、と思いつつ1つ心に引っかかる。
黒尾「 あなたサン?どうかしました? 」
「 うん、ちょっと考え事してた 」
夜久「 なんだー?話してみろよー 」
おいおいー!おりゃー と髪をくしゃくしゃにしてくる。
多分崩れちゃったよね、今日せっかく髪綺麗なのになぁ。
少しがっかりして肩を落とす。でもあと帰るだけだから別になんともないか。
海「 夜久ー(笑) 」
黒尾「 …あーあなたの髪崩れてるわ 」
「 うそ、ほんと? 」
夜久「 マジ ほんとごめんな せっかくちゃんとしてるのにな 」
「 え、そんないいって、あと帰るだけだし 」
今日に限って、手鏡を忘れてしまったのでどうなっているかが見えない。
このへんかな〜、自力で整える。
「 なおった? 」
黒尾「 まだ残ってんな 」
「 ここらへん? 」
黒尾「 もーちょい上 」
ここ? と指すものの んーまだ上 、違うみたい。
さすがに見えないのに自力で整えるのは厳しいようだ。
「 もーわかんない、鉄朗くんやって? 」
黒尾「 ……、はいはい(笑) 」
「 おい、なんで目ぇ瞑るんだよ 」
「 …いてっ!デコピンするな〜〜〜 」
黒尾「 ……ん、できた 」
ありがとう どういたしまして どういたされまして なんだそれ(笑) と意味のわからない言葉を交わす。
少し屈んで直してくれた鉄朗くんがいつもより近くて、ほんの少しだけかっこよくて、
それを紛らわすために意味わからないこと言った っていうのは内緒。
実は真面目に授業聞いて勉強してるときとか、バレーしてるときとか、
そんな感じの真面目な表情をされるとどうしても動揺しちゃう。
だからさっきも目を合わせられなくて、目をつぶってしまった。
結構やっちゃったわごめんな〜、でも可愛い と言ってくれる衛輔くん、ずるいと思う。
夜久「 まぁ…なんかあったら頼れよ、話すだけでも変わんだろ 」
あなたに元気ねえと心配だし、俺も元気なくなるんだよ と言い残して前の2年生達に合流していく。
夜久衛輔、とんでもない爆弾を落としていってしまうものだ。
リベロなんだから、バレーみたいに落とさないでくれればよかったのになぁ とまたも動揺からか意味のわからない考えになってしまう。
━━
まだ続きますが、気づいたら 3000文字 超えてしまっていたので
キリが悪いですが2話に分けました!!
続き待っていてください > ·̫ q♡
いいね お気に入り コメント フォロー スポットライト とっても嬉しいので、
ぜひ沢山して応援していただけると嬉しいです( ᐢ_ ̫ _ᐢ )♡
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!