黒尾「 …はぁー!夜久クンはほんっとにカッコイイなーーーおいおい、 」
「 …ってあなたサン顔赤くねー?………、いてぇよ 」
揶揄ったように言うのに少し腹が立って、軽くチョップを入れる。
「 …だってあんなの続けざまに……、衛輔くんずるい!! 」
海「 ははっ、いつも夜久にかっこいいところ持っていかれちゃうな(笑) 」
黒尾「 ホントな〜〜試合とかでも結局やっくんに全部もっていかれるんデスよね 」
海「 この前の試合のスーパーレシーブ凄かったな 」
黒尾「 アレなーやばかったわ 」
「 ……そんなこと言ってる2人も試合の時もだけど、いつもかっこいいと思うよ 」
「「「 ……… 」」」
「 ……ねぇ、ちょっと、なにか言ってよ〜〜 」
ふたりが黙るから時間差で何言ってるんだわたし、と恥ずかしくなる。
いたたまれなくなった私は隣にいる2人の顔を見上げる。
すると、ゆっくりと頬が赤く染まる2人。
そんなに照れないでよ、そんななるなんて思わないじゃん、
あぁ、頬が熱い、私も絶対顔赤い。
信行くんは そんなに言われちゃうと恥ずかしいな と言いながら手で口を隠して離脱してしまう。
2年組と衛輔くんの方に混ざっていった。
黒尾「 ……おい、なんであなた、お前まで顔赤くなってるんだよ そこは照れんな 」
「 んわ、いてっ…! 」
やっぱりわたしも赤くなってたんだ。
なんて思っていると、 ふざけんな と全く痛くない手加減デコピンされた。
ちゃっかりそういう配慮をしてくれるもの優しい、さすがモテてるだけある。
そして、信行くんとの入れ替わりで衛輔くんがこちらにゆっくりと向かってきた。
夜久「 …なぁ、海が顔真っ赤にして来たんだけどなんかあったのか? 」
黒尾「 あーウン、まぁね 」
夜久「 ふーん? 」
いまいち納得していないように返事をして戻っていく。
それ聞くためだけにこっちに来たんかい!
黒尾「 ________、 」
「 もう、ばか…!! 」
夜久「(…ん?あいつらも顔赤くなかったか?)」
.
No side ( 1つ前とこちらのお話から 別視点 )
山本「 先輩たち距離近ぇよなー 」
孤爪「 …うんまぁ、仲はいいなとは思うけど、 」
孤爪「 どうせ羨ましいとか思ってるんでしょ 」
3年生が後ろで話している時、
こちらもこちらで盛り上がっているようだ。
まぁ、3年生の話で、だが。
山本「 そんなことねぇよ!!……なくもないな 」
そりゃあ少しは憧れるもんだろ、あんなん と3年生達の方を見る山本。
福永「 至近距離、チキる距離… 」
「「 !! 」」
いつも通りのダジャレを言う福永、それに反応するふたり。
そこへ__、
夜久「 お前ら何してんの? 」
山本「 夜久さん!? 」
夜久「 !!??……なんだよ大声出すなよびっくりしたわ〜 」
山本「( そんな驚くか?普通… )」
そこまで大きな声を出したわけでもないのに、驚く夜久。
夜久「( 結構俺攻めたよな〜やべぇ )」
なぜあんなにも驚いたのか。
それは、白岡が先程 ずるい と言っていた言葉を伝えたからだった。
言ったそばから 攻めすぎじゃね やばいか? と思い、その場から爆弾だけを置いて逃げてきたのである。
逃げた先で夜久は1年から2年、先輩へと進級した彼らと話していた。
すると、しばらくして海がこちらへやってきた。
夜久「 あれ海、こっち来たのか? 」
海「 あぁ、うんまぁね 」
夜久「 そ?…………あーぁ、黒尾ってぜってーあなたのこと好きだよなーー、 」
____と、
黒尾と白岡が少し後ろで楽しそうに話しているのを横目に見る。
距離ちけーよあいつら、と少し顔を歪ませる夜久。
海「 はは、まぁ頑張れよ 」
夜久「 ぉぅ、ちょっと行ってくる 」
海「 はい、行ってらっしゃい 」
その会話をする2人のまた前では、
″ 夜久さんってあなたさんのこと好きなのか? ″ ″ 黒尾さんも? ″ などとブツブツと言っている山本。
あんなにあからさまなのに気づかないのか と驚く孤爪であった。
夜久はその数分、いや数秒後、すぐに戻ってきた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!