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第1話

真面目に書きました。
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2025/01/18 16:32 更新


 初めは、ただのクラスメイトで、普通よりもかなり背が大きいせいで目立つ人だなって。そんな印象だった。


 それが変化したときには、入学してから大分経っていた。
雲南
なぁ、お前さ、バレー部のマネージャーならん?


 一瞬固まった。
 だからこそ、次に視界が動いた時は彼の顔が目の前にあったため、目を見開いた。

 大分時間の空いた返答だったので、不審に思われてしまったのだろう。
あなた
え、私に言いよん?


雲南
逆に今ここにお前以外誰がおるんかちゃ。

 少し軽く小突かれ不服そうにする私とは対照的に、くつくつ喉を鳴らす雲南。
あなた
なんも小突くことはなかろうに……なしそげんちょっかいばっかかけてくるん。

 こいつは入学した時からそうだ。何かと私にちょっかいばっかかけてくる。

 いつものことなのでもう慣れはしたものの、未だにそうして何かと絡んでくるのかは謎だったので、思い切って聞いてみた。

雲南
…別ん何でもええやろ。
それよりどうなんかちゃ、マネやるんかやらんのか。
 分かりやすく目を逸らされた。そして話を戻された。またも不服に思いつつ、とりあえずそれに返事する。
あなた
まぁええよ。マネ、しちゃるわ。
雲南
…は、本当か?
ダルいけとか言うて休めんのやぞ?
あなた
私今やることないけんさ。逆に部活やらして時間費やせるもんがあった方がええわ。
雲南
……はぁ…。
あなた
なん、雲南が誘ってきたんやろ。なしそげしてため息やらつくんかちゃ。
雲南
……猯。
あなた
……なんち?
雲南
……、っ、やけん、猯が…お前んことマネに誘えち言うけ…やけ誘っただけちゃ。
あなた
なん、じゃあ雲南が誘おうとして誘ったっちゅうわけやないんね?
雲南
……そうちゃ。やけん、お前にゃマネなんかなってほしくないとちゃ。
あなた
なん、あんたは私が簡単な雑用すらできんっちゅうんね??
雲南
そげんこと言うちょらんめぇもん。
……お前んこと、見られとないんちゃ。

 何を言い出すのかと思いきや、これは意外だった。雲南がこんなことを思っているなんて、そんな気配は微塵も無かったし、全く知る由もない事実だった。
雲南
……あー、もうええわ。
やけん、お前とこういう風に話せるんは俺だけでええち言いようとちゃ。
しかも、それがあいつ……猯の頼みとか言うんやったら、尚更聞き入れちゃらんわ。本当やったらな。
あなた
なん、本当やったらち?
雲南
……こん前、猯にブロック本数で負けちょるけ…聞くしかなかったんちゃ。文句あるか。
あなた
……またやりよん。そげアホみたいな勝負。
 これは精一杯の照れ隠しのつもり。私だって、そんな勘が悪いわけじゃないから。
雲南
ええやろ別に……。
…俺はお前にマネなんかしてもらいたくねぇけん、今ここで断れちゃ。
 雲南の顔の赤みは伝染病で、それはどうやら私にも移ったようだ。その原因はきっと、雲南も私も共通して理解している気持ち。それはテレパシーのよう。そしてまた、それを無意識に理解しているからか否か、何故だかこの目の前の相手、もしくは私たちを取り巻くこの空間が、心做しか太陽の様に輝いて見えた。
 見て見ぬふりばかりしてきたその気持ちは、今、また、再熱する。
 …密かに、これが運命だったらいいのに、なんて願う。
あなた
……ん、わ、かった…。
 どうにか絞り出した声が聞こえていたのかいないのか、それは誰にも分からない。返事の代わりか、雲南はそっと私の手をとって、ゆっくりと包んだ。
雲南
…お前は、俺だけ見よけばいいやろ。他ん奴やら、俺は見らんでほしいんやけど。
 いつもよりもなんだか熱い。
 真っ直ぐな視線に射貫かれるせいで目のやり場がない。
雲南
おい、目ぇ逸らすなちゃ。
…………もうここまで言うたんやけ、分かるやろ。俺がなんち言いたいんか。
あなた
……分からんし。ちゃんと言われななんも。
 雲南の顔が分かりやすく歪む。が、その顔はすぐにいつも通りの顔に変わった。
雲南
そんだけ言うんやったら言うちゃるわ。
当たり前やけど俺、あなたの下の名前ん事好きやけん、俺と付き合えちゃ。
 余りにも直接的な言葉に今度は私の顔が歪んだ事が分かった。私だって負けてられない。
あなた
…しゃあないな、嫌味ばっかしのあんたやら誰ももろうてくれんやろうし、私が付き合うちゃるわ。
雲南
よう言うわ、憎まれ口ばっか叩くお前んが誰からも貰われんやろ。仕方ないけ俺が貰っちゃるんちゃ。
あなた
……そんなん気にせんでも、あんたしかおらんちゃ。
雲南
……ふ、そうやろうな。



 一頻り互いに笑いあって、そっと指を絡め、引き寄せられるように接吻した。

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