前の話
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初めは、ただのクラスメイトで、普通よりもかなり背が大きいせいで目立つ人だなって。そんな印象だった。
それが変化したときには、入学してから大分経っていた。
一瞬固まった。
だからこそ、次に視界が動いた時は彼の顔が目の前にあったため、目を見開いた。
大分時間の空いた返答だったので、不審に思われてしまったのだろう。
少し軽く小突かれ不服そうにする私とは対照的に、くつくつ喉を鳴らす雲南。
こいつは入学した時からそうだ。何かと私にちょっかいばっかかけてくる。
いつものことなのでもう慣れはしたものの、未だにそうして何かと絡んでくるのかは謎だったので、思い切って聞いてみた。
分かりやすく目を逸らされた。そして話を戻された。またも不服に思いつつ、とりあえずそれに返事する。
何を言い出すのかと思いきや、これは意外だった。雲南がこんなことを思っているなんて、そんな気配は微塵も無かったし、全く知る由もない事実だった。
これは精一杯の照れ隠しのつもり。私だって、そんな勘が悪いわけじゃないから。
雲南の顔の赤みは伝染病で、それはどうやら私にも移ったようだ。その原因はきっと、雲南も私も共通して理解している気持ち。それはテレパシーのよう。そしてまた、それを無意識に理解しているからか否か、何故だかこの目の前の相手、もしくは私たちを取り巻くこの空間が、心做しか太陽の様に輝いて見えた。
見て見ぬふりばかりしてきたその気持ちは、今、また、再熱する。
…密かに、これが運命だったらいいのに、なんて願う。
どうにか絞り出した声が聞こえていたのかいないのか、それは誰にも分からない。返事の代わりか、雲南はそっと私の手をとって、ゆっくりと包んだ。
いつもよりもなんだか熱い。
真っ直ぐな視線に射貫かれるせいで目のやり場がない。
雲南の顔が分かりやすく歪む。が、その顔はすぐにいつも通りの顔に変わった。
余りにも直接的な言葉に今度は私の顔が歪んだ事が分かった。私だって負けてられない。
一頻り互いに笑いあって、そっと指を絡め、引き寄せられるように接吻した。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!