第148話

‥お兄ちゃんのバカ‥
48,217
2020/04/25 01:33
日曜日。




岩泉母「あなた、今日部活何時ごろ終わるの~?」

あなた「ん~、4時くらい」


お母さん特製オムライスを頬張りながら答えて、目の前の空いた椅子を見た。


あなた「ね、お兄ちゃんは?」

岩泉「まだ起きてないみたいね……部活遅れちゃうし、起こしてあげて?」

あなた「うんっ!」


コンコンッ



あなた「お兄ちゃ~ん」


……?


コンコンッ


あなた「お兄ちゃん、朝だよ!!」


声を張ると、少しして大きな物音と共に「わりい朝飯要らねぇ!」と叫ぶ声。

完璧寝坊みたいです。

リビングに降りてささっとおにぎりを2つ作ってから、ラップに来るんでおにぎり専用の水玉ケースに入れる。


ドタドタと階段を駆け降りる音がして、慌てて玄関に急いだ。


あなた「お兄ちゃんおにぎりっ!」


岩泉「わりぃサンキュ!」


座って靴を履いているので肩に掛けてあるスポーツバッグにケースを入れた。


あなた「お……お兄ちゃん、今日帰り何時くr」

岩泉「あ、わりぃ言うの忘れてた!今日昼間1回帰ってから花巻ん家に皆で泊まるから晩飯も朝飯もいらね!母さんに言っといてくれっ」

あなた「えっ…………あの、じゃあ__」

岩泉「じゃあ行ってくる!サンキューな!!」


無造作に私の頭に手を置くと、力強くドアを開けて走っていった。










あなた「____お兄ちゃんのバカ」

菅原𝓈𝒾𝒹𝑒.°




もう6月か……。


これから雨どんどん増えていくんだろうな~。


日向「あなた~っおっはよ!」


ネットを張っている日向が、体育館に入ってきたあなたに駆け寄っている。


今日はなんか来るの遅かったな……珍しい。


あなた「……おはよ」


あしらうようにふいっとそっぽを向くあなた。


日向「?どうした元気なくないか!?熱か!?風邪か!」


なんと、それは大変だ。


確かにいつもより元気がない。


ボーッとしてる感じ。


後で熱計らせようかなぁ。


あなた「…………違う」

日向「えっ……、あなたが、あなたが月島みたいになってるーっ!!!」


烏野「(ブハッ)」


恐らく部員全員耳を傾けていたので日向の月島を使った例えに思いっきり吹き出した。


おいおい……月島怒るぞ?


チラッと見ると、ムスッとしながらあなた達を見ている。


あなた「…………やだよ一緒にしないで……」


日向「やばいって、何!?月島病!?……あっ、キャプテン~!あなたが月島です~!!」


澤村「ブフッ…………ゴホンッ、あなた体調悪いか?」


あなた「……体調?いや、別に普通ですけど……」



いや、これ月島っていうか……。



と、くつ紐を結びきった月島が青白い顔の山口と一緒にあなたの方に向かっているので慌てて皆入り口集結した。



澤村「明らかに沈んでない?……って、月島待て待て待て!!」


月島「ええ?なんでですかぁ~。こんな面白いおもちy……心配じゃないですかっ」


澤村「今おもちゃって言おうとしたな!?てかもうほとんど言ったな!?連れてって何する気だっ!」



大地が、あなたの肩に回った月島の腕を掴んで慌てて止める。


月島、何する気だよもう……。


あなた「……?あ、ドリンク作ってきます」

菅原「さっき清水が作ってたよ?あなた、大丈夫、か?」

あなた「大丈夫って……?」





うーん、困った。



月島みたいなことすることになるけど、仕方ないかぁ。



菅原「あなたっ、外行こ?」


肩に手を置いて耳うちすると、きょとんとした顔をして俺の顔を見た。


菅原「大地、ちょっと行ってくるわ。練習始めといてくれ」

澤村「ん?あ、あぁ。頼む」

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