第20話

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2018/11/05 07:46
あなた「…健人…裙と…?」
心当たりがあるのか、明らかに動揺している。
『…正直に言ってくれないと、俺 怒っちゃうよ?』
あなた「健人…裙に…、えっと… 」
『中島に、何?』
あなた「怒んない…?」
『怒んねえよ。』
あなた「健人裙と、仲悪くならない…?」
『大丈夫。悪くなんないから。言って?』
あなた「…す …れた…。 」
『ん?聞こえないんだけど?』
あなた「キス、されたの…。」
『…は?』
あなた「だから…キス…された…。」
幻聴だと思ったその言葉は、本当に彼女が発した言葉で。

中島への怒りとか、彼女の無防備さへの呆れとか、俺がそれを阻止できなかった事への悔しさとか。

色んな感情がぐちゃぐちゃになって、訳が分からない。

…でも、今はただ、俺以外のキスの感触なんか今すぐにでも消したかった。
あなた「…え? んん…、ふう…んっ…ま…やめっ… 」
『黙ってろ…、馬鹿…。』
あなた「ごめ…、あっ…んん… 」
胸板を苦しそうに叩くあなたを見て我に返り、唇を離した。
『それで?中島の事好きになったわけ?』
あなた「え!?そんなわけ無い! 風磨のことしか好きになれないもん…。」
『中島の事だから、結構激しめのキスしたんじゃねえの?』
あなた「…えと…まあ。でも!好きにはならないもん。」
『俺の事より、DVDの中島に見入ってるくせに?』
あなた「それはそれ!でも、ファンとして好きなだけだもん。風磨の好きとは違うから…。」
『ふーん?じゃあ、証明してよ。』
あなた「証明…?」
『勿論、身体で。ね?』
彼女の愛を確かめたくて、彼女に愛を伝えたくて。

ただ、今は 彼女に溺れていたい。

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