第44話

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2026/03/22 01:53 更新
夢主side
あなた
…ふぅ~
動画編集が一段落して時計を見ると、あと少しで退勤時間になることに気づいた
あなた
(そろそろ帰ろっと)
私はそのまま退勤準備を始めた
…そういえば、言さんを見かけないな
まだ撮影をやっているのかな?
あわよくば、一緒に帰れたらなと思っていたけど……
言さんは人気メンバーだし、忙しいよね~……
言さんと付き合ってから早1年が経ち、私も入社2年目を迎えていた
…橘さんとの1件からまた言さんとは話すようにはなったけど、お互いに忙しくなり仕事以外では会えていない
もちろんデートも
そんな日々が続き、少し……いや、結構寂しさが募っている
それに、距離も付き合う前とほぼ変わらない
もっと、恋人らしいことしたいな~なんて……言えるわけない
それに、前デートしたときに言さんが家まで送ってくれるって言ってくださったのに、断っちゃったし…
…本当はもっと一緒にいたかったし、送ってもらいたかった
でも……頼っちゃっていいのかなって、不安になってつい強がってしまった
我ながらバカすぎる……
仕事終わりも一緒にならないから、一緒に退勤とかもないし……
あなた
はぁ…寂しいな
東言
何が?
あなた
へ?!
ついそう呟くと、言さんが私の顔を覗き込みながら聞いてきた
私はまさか言さんがすぐ目の前にいて、聞かれるなんて思っていなかったから変な声が出てしまった
あなた
ご、言さん……?!
東言
ふふっ、お疲れ様
驚かせちゃった?
私の反応におかしかったのか、言さんは笑っていた
やばい…さっきまで自己嫌悪みたいになってたから、涙が出そう…
あの一件からどうやら、涙もろくなったみたいです💦
あなた
お、お疲れ様です……
東言
…寂しかったの?
あなた
…いや、そういうわけでは……
言さんにさっきの言葉が聞こえていたのが恥ずかしくて、つい否定してしまった
甘え上手の方が、可愛いに決まってるのに……
東言
仕事、終わった?
あなた
あ、はい
今帰ろうかなと思いまして……
すると、言さんは仕事が終わったかを聞いてきた
きっと、退勤時間だと知ってるからかな
東言
…実は、僕も終わったんだ
あなた
あ、そうなんですね
東言
だからさ……
あなた
??
言さんの様子に私は違和感を覚えたし、不思議に感じた
なぜか、言さんは焦っているような緊張してるような、そんな感じだった
どうしたのかな?
東言
……良かったら、一緒に帰らない?
あなた
……え?
言さんの提案に私は少し間が空いて、声を漏らした
“一緒に帰らない?”って言いました……?!
あなた
……よろしいんですか?
東言
もちろんだよ笑
あなた
…ぜひ!
東言
良かった~…
私は誘われたことが嬉しくて大きく頷くと、言さんは安心したような反応をした
東言
じゃあ、帰ろっか
あなた
…はい!
私はQuizKnockに入って、初めて言さんと一緒に退勤をすることに……
歩きながら、私はある疑問が生まれていた
なんで今になって、誘ってくださったんだろう?
前回のデートからは半年以上ほど経っていて、今日までデートらしいことをしていない
クリスマスの時が最後かな~
年度が新しくなった今、やっとその目まぐるしい日々が落ち着きを取り戻し始めた段階なのだ
だから、なのかな?
なーんかしっくり来ない感じがする……
東言
ちゃん……あなたの下の名前ちゃん……
東言
…あなたの下の名前ちゃん!
あなた
?!は、はい!
そんなことをぐるぐる考えていると、隣から私を呼ぶ大きな声で意識が現実に戻った
東言
ずっと呼んでたんだけど……大丈夫?
あなた
あ…すみません💦
少し考え事を……
言さんは私のことをずっと呼んでくださっていたみたいだ
私ったら、せっかく言さんと一緒に帰る貴重な機会を……
東言
なに?
あなた
え?
言さんの問いかけに私は思わず聞き返した
東言
…なに、考えてたの?
あなた
えっと……
東言
…言いづらいこと?
あなた
いや、えっと……
言さんがグイグイ聞いてくるので、私はどう答えればいいか迷っていた
言った方がいいのかな……?
東言
…俺、あなたの下の名前ちゃんの彼氏だよね?
あなた
は、はい……
そんなの、当たり前じゃないですか……
東言
…だったら、頼ってほしいな
あなた
…え?
東言
…橘さんの件があったから、何かあったら遠慮しないで言ってほしい
歳がちょっと離れてるから、言いづらいのかもしれないけど……
そう言う言さんの表情はとても悲しそうな、不安そうな……そんな表情だった
あなた
…言さんギュッ
東言
?!あなたの下の名前、ちゃん…?
そんな言さんを見て私は胸が苦しくなって、つい言さんの手を握った
大丈夫だよって、安心できるように……
言さんはまさか私がそんなことをすると思わなかったみたいで、びっくりしていた
あなた
…そんなに不安にさせてすみません
東言
…あなたの下の名前ちゃんは謝りすぎ
東言
それと…急にやられると、びっくりするから//
あなた
え?あ、すみません…
言さんの言葉に申し訳なく思い、すぐに謝った
...急に手を繋ぐのは、ダメだったかな( ´・ω・`)
あなた
...なんで今日一緒に帰ろうって誘ってくださったんですか?
東言
え...?
もしかして、それをずっと考えてたの?
あなた
...はい
私はついに、言さんに聞いてしまった
言さんは意外だと言わんばかりの反応をした
...おかしいって思われたかな...💦
東言
...相変わらず、あなたの下の名前ちゃんは可愛いね
あなた
へ?!///
何を言われるかと身構えていたら、予想のはるか斜め上の言葉に私は変な声が出てしまった
...付き合い出してから本当によく言ってくださるけど、いつまで経っても慣れません///
東言
...そんな可愛いことで悩んでたんだね
あなた
か、可愛くないですよ......//
言さんの優しい微笑みに私はドキドキしてしまう
言さんにとっては、可愛らしい悩みだったのかな...?
東言
...誘った理由はね、単純に一緒に帰りたいって言うのもあるんだけど......
あなた
??
言さんの言い方に私は違和感を覚えた
...もしかして、他にも理由がある?
東言
…ねえ、あなたの下の名前ちゃん
あなた
はい?
東言
…今度、家に来ない?
あなた
…へ?
言さんが少し落ち着いた声で名前を呼んだかと思ったら、とんでもないお誘いをされた
私はつい変な声を出してしまった
い、今……家に来ないって言いましたー?!
あなた
い、家ですか?
東言
うん、俺の家に遊びに来ない?
思わず聞き返すと、もう一度言さんは同じことを言った
聞き間違いではない......
そんな、言さんの家になんてお邪魔したいに決まってる!!
なんて言ったって、推しの家だよ?!
行きたくないわけないじゃん...
でも......
あなた
...なんで急に?
東言
...やっぱり、急すぎた?笑
あなた
え...
私はつい独り言が出てしまったみたいで、言さんが少し笑いながらそう言った
私のバカ!
何で声に出しちゃうんだよー
あなた
あ、いや、すみません...
東言
全然いいよ笑
私がつい謝ると、言さんは笑いながらそう言った
いや、急は急だけど...嫌とかそういうわけではない
むしろ......
あなた
...嬉しい
あなた
です...
東言
...ほんと?
あなた
(頷く)
私の言葉に、言さんは少し不安そうにそう聞いてきた
...やっぱり、誘うのには勇気いるよね
東言
良かった...
断られるかと思った
あなた
断るわけないじゃないですか
私の答えに言さんは安心したようだ
断るわけないのに......
東言
じゃあ、前は何で家まで送らせてくれなかったの?
あなた
それは……申し訳ないなと思ったからで
東言
え?
あなた
あ......
言さんの質問についそう答えると、言さんは驚いていた
...言ってしまった
さっきは、断るわけないって言っておきながら、あのときは断ってしまったから...
東言
...良かった
あなた
え?
だけど、意外にも言さんは安心している様子だった
てっきり、私は呆れられるかと...
東言
...俺に家知られるの、嫌なのかと思った
あなた
それは......考えたことなかったですね
私は、言さんのこと信用していますので
どうやら、言さんは私が家の場所を知られるのが嫌なんだと思ってたらしい
そんな発想、1回も出たことなかった
東言
じゃあさ、
あなた
??
そう言いながら、言さんは立ち止まった
私は不思議に思いながらも立ち止まる
東言
今日は...送らせていただいてもいいですか?
あなた
!もちろんです!
私......もっと、言さんと一緒にいたいので...//
東言
!うん、俺も//
言さんと家まで一緒に帰れるのが嬉しくて、ついそう言うと言さんも頷いてくれた
もっと、素直になれるように頑張りたいな

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