目を覚ますと、男性の方2人と女性の方1人が今にも泣き出しそうな顔で知らない人の名前を叫んでいた
“あなたの下の名前”って、誰?
そもそもに、私って......?
ここはどこなの?
3人の話によると、あなたの下の名前というのは私の名前みたいだ
そして私は事故にあって、1週間意識がなかったらしい
...どうしよう、何も覚えてない
私は開口一番にここがどこかを聞いて挨拶をしていなかったので、挨拶をすると3人の方は目を見開いて驚いていた
この3人の方は、私とどのような関係の人なんだろう?
しばらくの沈黙の後、1人の男性の方が焦ったようにそう言って部屋を出ていった
病室に残ったお2人はなにか分かったみたいな様子だったが、とても信じられないみたいで言葉が重たかった
私自身も何も分からないことにだいぶ焦ってはいる
まず、私は誰なのか
そして、この人達は誰なのか
どういう経緯で事故にあったのか
何一つ覚えてない
......つまり、もしかしたら......
すると、そのとき先生と看護師さんが何人かやって来た
私の返答に先生は少し間を開けて頷いた
私は先生の反応に違和感を感じたが、特には聞かなかった
状況がよく分からないまま心拍確認が始まり、私は緊張のあまり舌足らずな喋り方になってしまった
心拍に異常はなかったみたい
一先ず、安心かな
次は、質問に答えるみたい
早速、分からない質問が来てしまい言葉が詰まる
先生の言葉に頷くしかなかった
私は...分からない
先生の質問を受け、私は改めて3人の方の顔を見た
...だけど......
私は申し訳なく答えると、3人の方は悲しそうな表情をした
本当にすみません...
ここにいる理由を聞かれた後に、急に算数の問題を聞かれ私はびっくりしながらも答えた
次は漢字問題みたいだ
渡された紙とペンで、すぐに「病院」と書いた
なんで急に小学生の問題が?
先生やみなさんの反応から私も確信を得た
やっぱり、私は......
先生の言葉を聞いて私は頷くしかできなかった
そもそもに、体中に包帯が巻かれている時点でなんとなくの察しはついていた
頭がいちばん包帯が巻かれてるようだし
でも、まさか自分が......
先生の言葉に私は淡々とそう返した
...もう、最初から受け入れてはいた
そこから私に関する説明を先生がしてくださった
私の名前はあなたの名字あなたの下の名前、年は24
血液型はO型
1週間前に交通事故にあい、この病院に運ばれたそうだ
ひとしきりの説明をされた後、先生と看護師さんは病室を出た
この3人は私の仕事仲間の方みたいで、特に私とよく関わっている人物だそう
東言さんは3人の中で一番大人っぽく、上田莉央さんは可愛らしい感じで東問さんはあどけなさが残る感じの人だなという印象だ
年は莉央さんは私と同い年だけど、言さんと問さんは5歳上らしい
苗字から何となくわかっていたが、言さんと問さんは双子で問さんがお兄さんみたい
そして...問さんと莉央さんは最近、結婚式を挙げたそうだ
よく見ると、左手薬指にお揃いの指輪が......
問さんの言葉を否定したあと、私はすぐに頭を下げ謝罪した
むしろ、困惑なされてるのはみなさんの方だと思う
少しの沈黙の後、聞こえてきたのは3人の笑い声だった
私は驚いて頭をあげた
...何で笑って......?
どうやら、記憶がない私でもやっている事があまりにもいつも通りすぎて、笑ってしまったみたいだ
...良かった、やっと笑顔を見ることができた
私は記憶が無くても、考えは一緒みたいだ
何となく、私のことが分かってきた気がする
私のわがままにみなさんは泣きそうな、でも嬉しそうな表情で頷いてくれた
みなさん、とってもいい人
だから、早く思い出したいって思うんだろうな~
...早く、みなさんを安心させたいな













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。