第9話

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2024/01/13 02:53
あなた「うー…」
「あなた、何が食べたい?」
あなた「三月さん!えっと私、お腹空いてないから!」
「なら、腹減ったらいつでも言えよ?美味しい料理、作ってやるから!」
あなた「うん!」
「兄さ…あなたさんも。2人は何してるんです?」
あなた「一織!」
「雑談だよ、雑談。一織は腹減ってないか?」
「ならいただきます。あなたさん、落ち着いて下さい」
あなた「一織〜!」
ぎゅっ、と私は一織に抱きついた
ナギさんが、一織はこうすると喜ぶって!
「な、ななななな……!?!?」
「一織、顔真っ赤だぞ」
「あなたさん?!」
あなた「ナギさんがね、一織はこうすると喜ぶよって!」
「六弥さん…!!とりあえず、離れて下さい!!」
和泉一織side
バッ、とあなたさんを私から離すと、あなたさんは突然、顔を真っ青にして固まった
「あなたさん?」
「あなた?」
兄さんも異変に気付いたのか、あなたさんの名前を呼んだ
しかし、彼女はカタカタと震え始めた
あなた「ぁ…ごめ、なさ…」
「あなたさん…?」
あなた「ごめんなさい、パパ、ゆるして、もうしないから、」
あなた「ごめんなさい、ごめんなさい…ッ!! 」
「あなたさん!?」
「おい、あなた!?」
兄さんがあなたさんに触れようと腕を伸ばした
その時、パシッ、と兄さんの腕を振り払った
「え、」
あなた「近付かないでッ!!」
「あなたさん、一体どうしたんですか!?」
あなた「兄さん達を、どこにやったの…?ねぇ、姉さんも兄さんも、皆何処に行ったの!?パパ、パパ…院長!!答えてよ…ッ!!」
「あなた…!?」
「おい、どうした!?」
あなたさんの叫び声に、何だ何だと暇していたメンバーが集まって来た
あなた「姉さんや兄さんを殺した癖に…よくそんな顔が出来るな!?返せ、返せッ!」
「あなたちゃん…?」
ひぐ、と泣きながら私達を責めるあなたさん
あなた「ねぇ、ねぇってば!!」
うわぁぁぁぁぁん!!と泣きながら兄さんを殴るあなたさん
仲裁に入った六弥さんをあなたさんはドンッと突き飛ばした
「あなた…?」
あなた「ゆるさないん、だから…」
泣き疲れたのか、動きすぎて疲れたのか、気を失った様に眠るあなたさん
共用スペースのリビングは、静まり返っていた

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