前の話
一覧へ
次の話

第1話

悪魔の孫になりました
257
2024/07/05 10:51
ゴールデンウィークが始まった

今いるのは高速道路

久しぶりの家族旅行で少し…いや結構ワクワクしている

去年は受験生だったし、来年からは妹が受験生

今年を逃すわけにはいかないと主にお母さんが張り切っていた

それにしても車が多い

渋滞に巻き込まれて予定よりも遅れている



早く着かないかなぁ
この渋滞だともう少しかかりそうね……


そんなお母さんと妹の会話を聞きながらどこまで渋滞が続いているのかスマホで確認する

確認するとあと2時間くらいはこの渋滞に抜け出せそうになかった






  ……………あと2時間もこの状態って………
           つら……







一人で勝手に絶望していると後ろから凄く大きいクラクションの音が聞こえた
















その瞬間、今まで経験したことのない衝撃が襲ってくる

そして時間差で痛みが体中に走った

わけがわかんなかった

体が思うように動かない

どこからか焦げくさい臭いが漂ってきた

さっきまで乗っていた車はグチャグチャになっていて手にはヌルっとした感触。

血だった

だんだんと視界がぼやけてくる












         私死ぬの?












そう思っている間にもどんどん意識は薄れていく










最後に見たのはかろうじて原型をとどめている血だらけの家族の姿だった

















目を開けると見たことのないおじいさんが立っていた

背は高くてなんか上品な髭が生えている

そして

額には角があった











      ……………………え?角……?










怖い……なんなのこのおじいさん……
サリバン
我輩は悪魔である
       ………………悪魔……?
(なまえ)
あなた
え…私死んだ……?
サリバン
…………まぁそんな感じかな……
わぁお

いや待って私が死んだなら家族は……
(なまえ)
あなた
家族は…………?皆は無事ですか……?
サリバン
………残念だけど…
何がとは口にしなかったけど何を言いたいかはわかった

涙が溢れてくる
(なまえ)
あなた
……っ……………でも皆はどこに……?
サリバン
君の家族は天界にいるよ
サリバン
君の場合少し特殊だったから天界に行けずに魔界に来ちゃったって感じ
       ………特殊とは……?




というかわかんないことだらけで頭がショートしそう……

困惑していると悪魔のおじいさんが口を開いた
サリバン
君は天界には行けない。そこでだ、私の孫になってくれないだろうか!!
(なまえ)
あなた
……えっ…
サリバン
いやぁずっと独り身でね…「孫」が欲しいんだ……お願いだ…どうかこの老いぼれの願いを叶えてはくれないだろうか……
サリバン
もちろんっ衣食住は保証する!!
急にそんな事を言われても困る

…………でももしこの悪魔の孫にならなかったら行き場をなくして最悪野垂れ死ぬ……?

それだったら……孫になったほうがいいのかな…

衣食住保証するって言ってたし…











(なまえ)
あなた
まっ…孫になります……
悪魔のおじいさんの顔が一気に晴れる
サリバン
じゃあこの契約書にサインして〜判子も押してね〜!
(なまえ)
あなた
……はい


サインと判子が押し終わると悪魔のおじいさんが契約書を持ってクルクル回った

     

        凄く嬉しそう……


サリバン
あ、もう一人君と同じ人間の男の子がいるから仲良くしてね!
(なまえ)
あなた
あ、はい……
ん?ちょっと待て…人間の男の子……?え、人間!?
(なまえ)
あなた
えぇぇぇぇぇぇ…!!!

プリ小説オーディオドラマ