第5話

# 4 誰かを待っている君でした。
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2026/08/28 06:17 更新
紫
__は放課後になると

校門の前の桜の木にいる。

誰も来ないのに

ずっと誰かを待っている。

俺はずっとそれが気になっていた。
紫

あれ、またここにいる、
 
黒

あ!こったんじゃん!
 
紫

ねえずっと気になってたんだけどさ
 
黒

んー?
 
紫

こえくんっていつも
誰のこと待ってるの?
 
赤.

えー、秘密!
当てててみてよ!
 
紫

えー、?
好きな人、とか?
 
赤.

んふふっ、どうだろうねー!(笑
 
紫

なにそれー!(笑
 
ごまかされた。

でもわかってる。

あの反応、多分待っているのは好きな人だ。

誰かまではわからない

どんな人かもわからない

それでもずっと「誰か」を

「好きな人」を待っている。

だから俺は、

「誰が好きか」

を聞けない。

勇気を出せない。
ある日、俺はこえくんが

高校を卒業したら地元の大学に行くと聞いた。

俺が行くところは関西

こえくんは北海道

真反対だ。

「もう会えなくなる」

という事実だけが俺に刺さった。

苦しくて、悲しくて、

涙が溢れた。

そんな俺を、くにおが慰めてくれた。

そして俺は

こえくんに気持ちを伝えると

そう決意した。
卒業式当日

俺は昨日こえくんに向けて

「好きです。幸せでいてね。」

と手紙を書いていた。

今日もこえくんは桜の木の下にいる。

今日もまた、誰かを待っている。

俺はそれを、教室から眺めることしかできない。

でも今日はいつもと違かった。

遠くから人が歩いてきた。

__だ。

その瞬間こえくんの顔が変わる

優しい顔で微笑む。

幸せそうな、うれしそうな

でも悲しそうな、切ない雰囲気を纏う微笑み。

俺は全てを悟った。

こえくんはずっと__を待っていたんだ。

俺はこえくん宛に書いた手紙をポケットにしまう。

そして__と一緒に歩くこえくんの背中を見ながら
紫

よかったね、(微笑
 
と呟く。

もちろんこえくんには届かない。

この気持ちが伝わることもない。

それでも俺は、幸せそうなこえくんが見れたから

それでいい。



俺が好きになったのは、

俺じゃない誰かを待っているこえくんでした。
# 誰かを待っている君でした。

fin.



next

# 僕の前を歩く君でした。

coming soon...

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