「わかってるわかってる!!」なんて
軽く返事をする風楽さんは相変わらず花火を
楽しそうに振り回していて、火の粉が周りに
ぼんやりと仄かに散る。
危ないって言ってるのに……、まぁ風楽さんなら
危なくならないよう上手く調整してそうだけど…
それでも危ないものは危ない!!先輩として
ここはきっぱり止めない、と…!!
二刀流とかいって大半風楽さんが沢山消費して
いった花火たち。いつかのように、じゃんっと
見せられた花火はご定番の線香花火。
ピンク色のなんて言うんだろう…ヒラヒラした
部分?を上手く持たないと風とかで揺れて
難しいんだよね…ってもう風楽さんしにいってるし…
風楽さんは何かとまたこういう子供っぽい
ところがある。こういうところは案外可愛いな…
…ってちがうちがう!!なに考えてるの私!!
✦ ✦ ✦
2つの線香花火に火が灯る。
ゆらゆらと海の風に吹かれて、
今すぐにでもぼわっと消えしまいそうだ。
…ふと、風楽さんの方の花火を覗き見る。
風楽さんがバッとこっちを見た瞬間、
タイミングを合わせたかのように火が消える。
あー!!!と叫んで新しいのをすぐに
取り出す姿は負けず嫌いそのもので。
また新しい一面を見つけると同時に
風楽さんと横にこうして並んで線香花火を
している事実にどこか少しこそばゆくなる。
風楽さんが不思議そうにちらりと
視線をこちらに投げる。
パチリと視線が合って、身体が自然と
こわばって目を逸らしそうになる。でも、
頑張って目を見つめて逸らさないようにする。
ナナちゃんの急なお誘いだったし、断れたはず
なのに風楽さんはすぐに了承していたし。
なんなら楽しみにしているような雰囲気でさえ
見せて、私にちらちらと視線を向けていた
気がしなくもない。
それが、不思議でしょうがない。
先輩後輩として一緒に行きたい?それとも
仲を深めるため?遊び相手?暇つぶし相手?
……それとも、全然違う意味?
風楽さんが頬を軽くかく。
眉がへにゃりと困ったように垂れ下がって
いて、困らせちゃったことに胸が変に軋む。
…風楽さんは、きっと深く考えてない。
けどそのせいで私は勝手に勘違いしてしまう
良くないってわかってる、だけど…。
パチパチと散っていた線香花火が
同時に音もなく消えて、それと同時にまた
いつかと同じようにスポットライトがそこだけに
当てられているように周りの音も消えてしまって。
火が消えるように、何かが溶けた。
間に合った…!!風楽さんのお誕生日のため、
更新です ; ;♡ 久しぶりに書いたので解像度が
落ちてたらすみません… (TT)(TT)













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!