🩷「あなたちゃん。」
「はい!」
阿部ちゃんが少しだけパソコンを触っている間
俺にはあなたちゃんに伝えたい事があった。
🩷「はじまりは特殊だったかもしれないけど…
阿部ちゃんさ、あなたちゃんの事
ほんとに大好きだからさ。」
「…はい。」
🩷「それに、ほんとに良い奴だから。」
「…知ってます。」
🩷「…あざといし、たまに理詰めしてくるけど」
と言うと笑うあなたちゃん。
🩷「…大切にする方法は色々あると思うけど…
阿部ちゃんは多分どストレートだから。
…どストレートに大切にされてね?」
「………はい!」
💚「…もう終わるよ~」
🩷「「はーい」」
仕切りの向こうから阿部ちゃんの声がして
2人で大きな声で返事をした。
そしてその後、小さな声で言った。
🩷「阿部を、よろしくお願いします」
事務所からの帰り道、あなたちゃんに聞く。
💚「待たせてごめんね?
行ったついでに少しだけ確認したくて。」
「ううん、大丈夫」
💚「…佐久間、変な事言ってなかった?」
「大丈夫だよ笑」
💚「笑うって事はなんか聞いたんでしょ?」
「なんでもなーい!笑」
💚「…何言った、あいつ…」
佐久間はまた後日問い詰めることにして
俺がプレゼントした手袋をはめた
あなたちゃんの手を握る手にグッと力を込める。
「ん?」
💚「……これからはずっと、1番近くで見てていい?」
「…私も見てていい?」
💚「いいよ?」
「いいよ?」
足を止めて顔を見合わせる。
ふっ、とお互いに笑顔になったらまた歩き始める。
もしかしたら一目惚れだったのかもしれない。
初めは仕事だった。
次は頼まれたからだった。
でも今は自分の意思。
そしてこれからは俺の願望。
君を
君の笑顔を
1番近くで見つめていられますように
そして
その笑顔を守れますように
自信を持って君に触れられる
俺でいられるように
2023.12.7 𝑒𝑛𝑑 𓏲𓎨











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。