第36話

静かに全てを返す
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2026/02/09 14:00 更新
井治木 たね
もーほんとーひどいの〜!
モブ
そうだよな、井治木
モブ
たねちゃんは殺されかけたんだもんね
井治木 たね
そうよ!
井治木 たね
なんなんだろあの先輩!
井治木 たね
ぴーてぃーえすでぃーになっちゃうよ!
モブ
まあ、あんな先輩の味方してる奴が同じクラスにいればな
井治木 たね
しかも私のエッ〇スアカウントハッキングされるしさぁ…
青柳冬弥
…………
草薙寧々
…………
冬弥たちのクラスにて
井治木達が冬弥と寧々のことを見て笑った。
青柳冬弥
………チッ
冬弥が机の下で軽く拳を握っている。
草薙寧々
ちょっと青柳くん!落ち着いて!
青柳冬弥
分かってはいる…
青柳冬弥
…それでも!
冬弥は静かに席から立ち上がった。
草薙寧々
え、青柳くん…?
青柳冬弥
…なあ、井治木さん
井治木 たね
え、何〜?
井治木 たね
あなたみたいないじめっ子の片棒担いでる人に話しかけられたくないんですけど〜
井治木は舐め腐った態度で冬弥に返事をする。
何がしたいのだろう。
青柳冬弥
あなたは、何がしたいんだ
井治木 たね
…は?
井治木は思わず聞き返した。
青柳冬弥
あなたは、司先輩から殺されかけたと言っていた
青柳冬弥
しかし今司先輩は自分を追い詰めるほどに心を病んでいる
青柳冬弥
加害者がそこまでなるか?
冬弥は淡々と井治木を詰めていく。
井治木 たね
なるんじゃない?ザイアクカンとやらでさ
笑い飛ばすように井治木は言う。
そんな井治木を冷ややかに見つめながらそのまま話す。
青柳冬弥
そうか
青柳冬弥
まあ、こんなのは茶番に過ぎない
冬弥はスマホをいじり始める。
なんの意味があるのかと井治木の取り巻き達は首を傾げている。
しかし、井治木の顔はみるみる青ざめていく。
青柳冬弥
ああ、その顔だと、心当たりがあるっぽいな
冬弥はスマホで口元を隠しながら不敵に笑っている。
青柳冬弥
俺だって何もせずにただ黙ってたわけじゃない
井治木 たね
待って、もしかして…
青柳冬弥
ああ、あれはハッキングじゃないぞ
青柳冬弥
ちゃあんと、お前のポストを遡って
青柳冬弥
大量の名誉毀損罪に当たるポストを通報しまくっただけだ
井治木 たね
う、嘘…!
青柳冬弥
まあああなったらあなたのサブ垢も全部BANだろうな
井治木 たね
嘘だ、嘘だぁぁぁぁ!!
青柳冬弥
いいか?個人名を出して馬鹿にしたりすると、名誉毀損罪になるんだぞ
草薙寧々
(……やっばぁ…)
青柳冬弥
それに、よく調べれば違うことがわかるだろうな
静かに冬弥は告げる。
青柳冬弥
お前が騙したのは学校の生徒の心にすぎない
青柳冬弥
さて、大して機械のこともわからないあなたには騙せないだろう
青柳冬弥
この学校にはセキュリティのためにところどころに監視カメラがある
青柳冬弥
恐らくマイクも付いているだろうな
青柳冬弥
司先輩の声はそれなりに大きい
青柳冬弥
屋上につながる階段の近くの監視カメラには司先輩とお前の声が入っているだろうな
井治木 たね
あ…
青柳冬弥
さて、調べればどうなるだろうな
井治木 たね
やめて、やめて!!
モブ
まさか、井治木さん、私たちのこと騙してないよね
モブ
そうだよね
モブ
でも、怪しいよね
モブ
だっていじめられたところ誰も見てないもん
井治木 たね
待って、待って…
モブ
井治木さん、嘘ついてないよね?
青柳冬弥
…さてと、
青柳冬弥
じゃあな、詐欺師
冬弥がスマホに入っていた録音を流した。


「すまない、遅れてしまった!」

 「大丈夫ですよ♡私もいま来たので」
 「はい、これちょっと持っててくれませんか?」

「ちょお前、腕に傷が…!」

 「…………モゴモゴモゴ
 「キャァァァァァァァ!!」

草薙寧々
…………!!
モブ
え…、これって…
モブ
天馬先輩の声と…
モブ
井治木さん…?
モブたちが顔を見合わせる。
モブ
やっぱり、騙してたんだね
モブ
さいってい…
モブ
そんな、心配したのに…
井治木 たね
う、嘘よ!きっとフェイクよ
青柳冬弥
…お前が作った状況と似ているな
井治木 たね
あ…
草薙寧々
(青柳くん怖…)
草薙寧々
…青柳くん
青柳冬弥
なんだ?
草薙寧々
あれ、フェイクなの?
青柳冬弥
いや、神代先輩に頼んで、屋上手前の監視カメラの収音マイクの音声をダウンロードしました。
草薙寧々
半分犯罪じゃん…
青柳冬弥
それでも、復讐をしたかったんだ
青柳冬弥
実際、あいつは俺よりもひどいことをしたからな
草薙寧々
…そうだね
青柳冬弥
…きっと、これでいいはずなんだ…
草薙寧々
……………
続く

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