あなたの下の名前(カタカナ)から話を聞いたウォールバーグは
「 ふむ …… 」 と考え込む。
彼は重々しい溜め息を一つ、
ゆっくりと吐いた。
意外そうなウォールバーグを
放って置き、
あなたの下の名前(カタカナ)は独り言ちる。
ウォールバーグは彼女を見つめ、
そして纏う雰囲気を緩めた。
そのまま今度は手元の書類を眺め
あなたの下の名前(カタカナ)へと話を振る。
これで面接は終わりらしい。
戻る前にと、あなたの下の名前(カタカナ)はウォールバーグに告げることにした。
あなたの下の名前(カタカナ)には人物の感情の機微がわかる。
正確に言えば、心が読める。
彼女ほどの大魔法使いならば当然のスキルだが、
これが非常に役に立つのだ。
だが ―― 、
と。
本当に戻る前の刹那、あなたの下の名前(カタカナ)はそう思った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。