第19話

 〚 17 〛 
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2024/04/28 09:00



 ウォールバーグ 
 ___ つまり 
総括すると、
 ウォールバーグ 
 お主は、ここでは
ない別の世界の
住人で、気が付いたら
この世界に来ていた、
ということか?

 あなたの下の名前(カタカナ) 
 理解が速くて 
助かるよ。



 あなたの下の名前(カタカナ)から話を聞いたウォールバーグは
 「 ふむ …… 」 と考え込む。




 ウォールバーグ 
 にわかには
信じがたいが、
だが信じるしか
ないようじゃな

 あなたの下の名前(カタカナ) 
 そうだね。

 ウォールバーグ 
 明らかに雰囲気が
ワシらとは
異なるし別格じゃ




 彼は重々しい溜め息を一つ、
 ゆっくりと吐いた。




 ウォールバーグ 
 このことは
他に誰が知っておる?

 あなたの下の名前(カタカナ) 
 誰も。
 あなたの下の名前(カタカナ) 
 お前にしか
話していないよ、
ウォールバーグ。



 意外そうなウォールバーグを
 放って置き、

 あなたの下の名前(カタカナ)は独り言ちる。





 あなたの下の名前(カタカナ) 
 …… お前は他と
一線を画している
恐ろしいほどの
手練れだ、
と推測したからね。
 あなたの下の名前(カタカナ) 
 隠すのは悪手だろう。




 ウォールバーグは彼女を見つめ、
 そして纏う雰囲気を緩めた。



 そのまま今度は手元の書類を眺め
 あなたの下の名前(カタカナ)へと話を振る。




 ウォールバーグ 
 して、お主は
あの少年を監視
しなければならない
のだろう?

 あなたの下の名前(カタカナ) 
 語弊があるね。
 あなたの下の名前(カタカナ) 
 ただの見守りだよ。

 ウォールバーグ 
 ではアドラ寮じゃな 
 
 あなたの下の名前(カタカナ) 
 ふーん、わかった。




 これで面接は終わりらしい。


 戻る前にと、あなたの下の名前(カタカナ)はウォールバーグに告げることにした。



 あなたの下の名前(カタカナ) 
 ありがとう
ウォールバーグ。
 あなたの下の名前(カタカナ) 
 信じてくれて。
 ウォールバーグ 




 あなたの下の名前(カタカナ)には人物の感情の機微がわかる。


 正確に言えば、心が読める。



 あなたの下の名前(カタカナ) 
 おかげで少し
この世界のことを
好きになれた
気がするよ。



 彼女ほどの大魔法使いならば当然のスキルだが、
 これが非常に役に立つのだ。




 だが ―― 、




 あなたの下の名前(カタカナ) 
( この力でも )



 と。


 本当に戻る前の刹那、あなたの下の名前(カタカナ)はそう思った。




 あなたの下の名前(カタカナ) 
( 結局ゼーリエの
  気持ちだけは
  わからなかったけれど。 )












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