第6話

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2024/01/17 14:45
冬弥
冬弥
今日から俺達の妻ですよ
 
あなた
は?


あなた
あ、あの……妻とは?
冬弥
冬弥
妻?そのままの意味だが?
あなた
いや、そうではあると思うけど
何で私があなたの
妻にならないといけないんですか?
冬弥
冬弥
それは、単なる二目惚れだ
何だ二目惚れって……。そこは一目惚れでいいだろ。
冬弥
冬弥
だが、俺達はあなたと会うきっかけが
欲しくて、国を襲いこうして誘拐した
あなた
きっかけのために……?
冬弥
冬弥
そうだ
きっかけの為にあんなに人が傷ついたの?
じゃあ、もしかして私があの時……朝礼の時の段階で逃げ出しとけばギリギリ黒ノ国の騎士たちを
白ノ国に襲撃されなかったんじゃ……。
冬弥
冬弥
でも、あなた……俺達はあなたを
愛してる
冬弥
冬弥
もし、戻ろうとでもしようとしたら
そのまま四肢を引きちぎって首輪でいつでも、無理にでも近づけてキスしたり、白ノ国を本気で滅ぼしに行くからな
あなた
っ!?
この人は危ない。それにただの白騎士の私にな何も出来ない。帰っても約立たずで、白ノ国を滅ぼすかもしれない。
それに、もしもここの部屋から出られても黒ノ国には魔物が多すぎる。
私はすぐに殺されて終わり……。

それなら──────────。












あなた
……戻りません……
冬弥
冬弥
!!そうか、なら今日は宴会をしよう
あなた
え?
ど、どうゆうこと?いきなり何言ってるの?
冬弥
冬弥
元々、この国は宴会をするほど雰囲気が豊かではないし、それほどおめでたい事には鈍感なせいか、皆祝ってくれないからな……
冬弥
冬弥
今日くらいは、やろう
あなた
あ、あの?
冬弥
冬弥
あなた。今日は俺達の結婚記念日になるぞ
あなた
結婚記念日……っ!?
……というか、さっきからずっと引っかかってることがあるんだけど、"俺達"ってどういうことなんだろう?
冬弥
冬弥
……もしかして"俺達"という存在が気になるか?
え、……心読まれた?
あなた
……は、はい
冬弥
冬弥
それは、簡単なことだ
俺達、黒騎士……まあ、そこの国で言うと
3騎士?みたいなものだ
あなた
つまり…黒ノ国の3騎士?的な人達の妻になるということですか?
冬弥
冬弥
嗚呼。嫌だと言っても無駄だがな


冬弥
冬弥
そろそろ、他の2人が来るだろう
俺は少し宴会の準備をしてくる
大人しく待っててくれ
あなた
あ、……
バタン





せめて、牢屋じゃなくて部屋とかに連れて行って欲しかった。ここ、めちゃくちゃ怖いから……。








カイト
カイト
ん?あれ?冬弥くんが牢屋から……?
あ、あー……あなたかぁ♡
冬弥
冬弥
そんなにニヤケてどうしたんですか?
カイト
カイト
……ありゃ。冬弥くんがいつの間に
というか、そんなに慌ただしくしてどうしたの?
冬弥
冬弥
宴会の準備だ
カイト
カイト
宴会?この国はそういう祝福することなんてないと思うけど?
冬弥
冬弥
まあ、そうではあるな……いや、今回は
表向きは宴会という名の結婚式だ
カイト
カイト
結婚式?……それは僕達も?
冬弥
冬弥
嗚呼、勿論だ。KAITOさんも
あなたに挨拶をしに行ってみたら
どうですか?
カイト
カイト
うーん…そうしようかなぁ♡
カイト
カイト
じゃあ、あなたの好きな物とかも
聞いておくねー!
冬弥
冬弥
助かる



ここは、薄暗くて不気味でそれに寒い。
はあ……怖いなあ…かすかに
魔物達のうめき声が聞こえる……よぉ。
類
おや?君があなたくんかい?
もう、気配消して誰かが来るのも少し慣れたよ……。
ん……?
あなた
あなた
い、いつの間に……っ!!
慣れた、とか言ってる場合じゃないよっ!!
類
この子がー新しい妻、ねぇ
何か、怪しまれてる……。この人は危ない気がする。
類
ふふ、気に入ったよ。ファーストキスってもう奪われたかい?
あなた
ふぁ、ファーストキス……
現実世界で、中学の時付き合ってた子いたなぁ。まあ。私は他の子と違って特殊なんだけど……
女の子と付き合ってたんだよね……。これって
ファーストキスに入るのかな……?
まあ、唇にしたことあるし……ファーストキスかな?
あなた
ま、まあ……相手はいます
類
おや、いるのかい?
類
ちょっと………いないと思って
期待してたんだけどねぇ……でも、今ここで上書き、という形も悪くはないかなぁ♡
あなた
ひっ……!!
好きでもない人とキスなんて嫌!どうせならあの美女!!
咲希ちゃんがいいっ!!
カイト
カイト
あれー?類くんがいるー?
あなた
あなたは…
カイト
カイト
あ、あなた〜♡ふふ、やっぱりいつ見ても可愛いなぁ♡
え、この人誰?……人格違うんだけど……ってか敵なの!?
↑あんまりこの世界の人知ってるようで知らない。
類
KAITOさんも来てたんだね
カイト
カイト
それは、こっちの台詞だよ?
ところで類くんはまだ新しい爆発魔法の
研究をしてると思ってたよー
類
それは、つい前日に終わらせたよ♪
カイト
カイト
ひぇ〜さっすがーだね
呑気に会話していいのか?今、白騎士のひとりがそれを聞いてるけど……、
類
にしても、今まで一応僕らは国に
妻を用意されたんだけどね……
カイト
カイト
あーね、邪魔だったよ
類
全員、つまらないし好きでもないから
つい燃やしちゃったよ♪
あなた
え……っ?
い、今……何て?……『燃やした』?
コイツら……やっぱり魔族だ!!人間の心がない…!
どうしよう、震えが急に止まらなくなって……!!
カイト
カイト
あれ?あなた…震えちゃってどうしたの?
類
さっきの僕のお話が気に触ったかな?
カイト
カイト
『つい燃やした』のやつ?
あなた
……コク
類
ふふ、詳しく教えてあげるよ、次期妻だしね



類
僕達は、数週間前までは誰かに好意を寄せたこともないし、性感情も表れたことがない……そのせいか好きな人がいない状態で政略結婚という形で国から僕ら3騎士を見守る1人の妻をくれたよ
類
確か。10人くらい、いたかなぁ
でも、みんなつまらなかったよ。すぐに
逃げるからね。ここに来る前から
類
所詮、全員庶民だから、そうなのかもね
カイト
カイト
はあーあの時期はマジでイラつく時期だったなぁ〜
類
ふふ、僕もだよ
あなた
、は…………
カイト
カイト
怖すぎて声が出ないあなたも愛おしい♡
類
それで、全員ここから逃げる前に燃やしたよ
類
でも、僕らは数週間前に運命の出会いをしたんだ♡それが君だよ
あなた
ど……どう、して……私?
類
それは、僕らは白ノ国の陣地をこちらの物にしたかったのさ。それで僕と冬弥くん、KAITOさんと行ったんだ
あなた
そんな…情報、聞いたことありませんよ……
類
ふふ、そりゃあ、知ってるよ……
君がこの世界に来る前の話だし
あなた
え、
類
それにね、僕達は白ノ国よりも戦闘力も瞬発力も何もかも優れてるからね。バレることは無いさ
あなた
なぜ。私が別の世界から来たことを?
類
知ってるよ、僕は君が前世で死んだ時に
さまよってたのをこの世界に
引きずり込んだのさ♡
あなた
は!?どうしてっ!!
類
だから…僕が1番最初にあなたと会ったことになるね
カイト
カイト
羨ましい〜!俺にも言ってくれたって
いいじゃーん!
類
KAITOさんには今度あなたの寝込みを襲う権利をあげるよ
カイト
カイト
わーい!やった♡
類
……だから、こそ……僕は冬弥くんと
どうやって奪還をするのか考えたんだよ?
あなた
意味わかんない……!!…………
類
分からなくていいさ、
これからは僕達と愛を育もう♡
こんな絶望的な世界…………。耐えられるわけがないよ!

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