バレンタイン当日。
学校が終わって、事務所に帰ってきた。
リビング_____________と言う名の物置部屋をそっと覗く。
やっぱり、今の時間は、橙矢しかいない。
ゆっくりと深呼吸する。
よし、いくぞ。
リビングに入る。
ついに、言うのか。私の、8年の、片想いを。
やっぱり、いきなりは言えなくて、ずいっと、チョコの箱を差し出す。
橙矢は一瞬目を丸くする。
私は黙ってこくん、と頷いた。
そのまま立ち去ろうかとも思った。けど_________________
…後悔、したくない。
私は声をあげる。
橙矢は不思議そうに、ん?と聞き返す。
大きく息を吸う。
私は、伝えたい。
例え、どんな結果になったとしても。
言った。言えた。
でも、今度は答えが怖くて、俯いたまま、顔をあげられない。
どんな結果になってもいいと思ったのは私だ。
でも、もし、断られたら_________________
橙矢が言った。
橙矢を見る。
顔を真っ赤に染めていた。
橙矢は恥ずかしそうに、口元を手で覆う。
私は顔をあげる。
まさか、そう言ってもらえるとは思っていなかった。
嬉しくて、同時に恥ずかしくて、顔が真っ赤になるのを感じる。
びっくりした。嬉しかった。
私の8年の片想いが実った日。
それは、一生忘れない、大切な日になった。
おまけ
幸せな、バレンタインです。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。